大切な故人様を身近に感じながら過ごしたい、そのような想いを叶える供養方法として注目されているのが「手元供養」です。
中でも、ご遺骨の一部を小瓶のようなコンパクトな容器に納めて自宅に置いたり、アクセサリーとして身に着けたりする方法は、比較的気軽に始められる手元供養として多くの方に選ばれています。
今回は、ご遺骨を小瓶に入れることは可能なのか、どのような種類があるのか、選び方のポイントや注意点について詳しくご紹介します。
目次
ご遺骨を小瓶に入れて保管することは可能?
結論から言うと、ご遺骨を小瓶に入れて保管することに法律上の問題はありません。
火葬されたご遺骨であれば、一部を取り分けて自宅や持ち運び用に容器に入れて保管することができます。
小さな骨片であれば、そのまま小瓶に入れることも可能ですが、より多くの量を小瓶へ入れたい場合や口の狭い容器に入れる場合は、事前にご遺骨を細かいパウダー状にしておいたほうが扱いやすいでしょう。
関連記事:【供養方法】手元供養と粉骨の関係性
ご遺骨を入れる小瓶はどんなものがある?
手元供養用の小瓶には、実にさまざまな種類があり、好みや使用目的に合わせて選ぶことができます。
▼さまざまな素材から選ぶ
- ガラス製:透明感のある美しさが魅力のガラス製は、インテリアとしても映えるため、自宅で静かに故人を偲びたい方に人気です。ただし割れやすいため、持ち運びには不向きです。
- 金属製:ステンレスやチタンなどで作られた金属製の小瓶は非常に耐久性が高く、日常的に持ち歩くのに適しています。中には防水性や密閉性を強化した設計のものもあり、アウトドアが好きだった故人様への供養にもぴったりです。
- 陶器・木製:陶器や木製の小瓶は、温もりのある質感が魅力です。どちらも自宅での保管向きで、和風・洋風問わずインテリアにもなじみやすいデザインが多くそろっています。
▼用途・形状から選ぶ
- ペンダント型・ネックレス型:アクセサリータイプは、ファッションの一部として自然に身につけられる点が魅力です。シルバーやゴールド、樹脂素材など素材のバリエーションも豊富で、さりげない形で故人を身近に感じられます。
- 置き型オブジェタイプ:インテリアに自然となじむ置き型の小瓶なら、自宅のリビングや寝室にさりげなく飾っておけます。外出時に持ち運ぶことはできませんが、「見守ってくれている」安心感が得られ、静かに故人様と向き合う時間を持ちたい方に適しています。
小瓶を選ぶ際の3つのポイント
ご遺骨を納める小瓶は、単なる容器ではなく故人様を偲ぶための大切な供養具です。安心して手元供養を続けるために、小瓶を選ぶ際に意識しておきたい3つのポイントをご紹介します。
1.密閉性の高さを確認する
ご遺骨は湿気に弱く、保管環境によってはカビや劣化の原因になることがあります。そのため、小瓶は密閉性に優れたものを選ぶのが基本です。
とくにネジ式の蓋やパッキン付きの構造であれば、外気の侵入をしっかり防ぎ、長期間にわたって清潔な状態を保つことができます。
2.素材は耐久性と用途に応じて選ぶ
小瓶に使われる素材には、ガラス、金属、陶器、木などさまざまな種類があります。持ち歩きを想定しているなら、衝撃に強く壊れにくいステンレスやチタンなどの金属製が適しています。
一方で、室内で飾って使いたい場合には、見た目にも美しいガラス製や温かみのある陶器・木製など、インテリア性を重視するのも良いでしょう。
3.デザインは想いに寄り添うものを
手元供養品は気持ちを込めるための道具でもあります。故人様の人柄や、生前に好んでいた色・モチーフを取り入れたデザインを選べば、より心のこもった供養となります。
また、自分自身が長く使い続けたいと感じられるデザインであるかどうかも大切なポイントです。
最近では、名前やメッセージの刻印ができるオーダーメイドタイプも人気を集めています。世界にひとつだけの特別な供養品として、より深い想いを形にすることができます。
手元供養以外にどんな供養方法がある?
故人様を偲び心を込めて供養する方法には、手元供養以外にもさまざまな選択肢があります。
ここでは、近年注目されている代表的な3つの供養方法をご紹介します。
自然散骨
自然散骨は、「故人様を自然へ還してあげたい」という想いから選ばれることの多い供養方法。
海や山といった自然の中にご遺骨をまく方法で、海洋散骨や里山散骨などがあります。宗教や宗派を問わず自由に行えるのが特徴です。
ただし、散骨にはマナーやガイドラインがあり、節度を持って行うことが求められます。
また、ご遺骨をパウダー状にする「粉骨」が必須となり、個人での対応は精神的・肉体的に負担となることも。安心して行いたい場合は、専門業者への依頼を検討すると良いでしょう。
永代供養
永代供養とは、霊園や寺院にご遺骨を預け、管理と供養を任せる方法です。お墓の後継者がいない、あるいは家族に負担をかけたくないと考える方に選ばれています。
「永代」といっても、必ずしも永遠に個別供養されるわけではありません。多くの場合、一定期間の個別供養ののち、ほかのご遺骨とともに合祀墓(ごうしぼ)へ移されます。
管理の手間がかからず、費用も比較的抑えられるため、経済的・実用的な観点からも注目を集めています。
樹木葬
樹木葬は、墓石の代わりに樹木を墓標とし、その周辺にご遺骨を埋葬する自然葬の一種です。自然と共に眠りたいという想いを形にできる供養として、多くの方に選ばれています。
多くは永代供養とセットになっており、霊園や寺院が管理を行うため、継承者がいない場合も安心して利用できます。
また、墓石を建てる必要がないため費用負担が軽く、環境への配慮や管理のしやすさという面でもメリットがあります。
自然志向の方や、後に残る家族に配慮したい方にも選ばれやすい供養の形です。
関連記事:手元供養とは?種類や費用、メリット・デメリットなどの基礎知識を解説
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