お墓を持たずにご遺骨を自然に還す自然葬を望む方が増えています。海や山に散骨をすることも自然葬のひとつですが、一般的な供養方法とは異なるため、わからないことも多く不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
散骨はマナーを守って正しく行うことが大切です。ここでは日本国内の散骨禁止エリアや散骨当日の服装に関するマナーなど、散骨のイロハをご紹介します。故人様の願いを叶え、新しい旅立ちとなる散骨を安らかに執り行うために、ぜひ参考にしてみてください。
目次
海や山へ散骨する際の注意点
故人様やご家族のご希望で、ご遺骨を海や山などの自然のなかで散骨したいと考える方も増えてきています。
しかし、どこでも好きな場所にまいて良いものではありません。なかには散骨自体を禁止している、もしくは規制をかけている自治体もあります。いざ散骨しようとしたら散骨禁止区域だった、ということにならないためにも、散骨場所や散骨のマナーについて調べておくことが大切です。
規制・禁止エリアある自治体と地域
日本国内で散骨許可に関して規制を設けているのは以下の自治体です。
- 北海道長沼町
- 北海道七飯町
- 北海道岩見沢市
- 長野県諏訪市
- 埼玉県秩父市
- 埼玉県本庄市
- 静岡県御殿場市
- 静岡県熱海市
- 静岡県伊東市
散骨を禁止したり、条例を設けたりしている理由として地元住民と散骨事業者とのトラブルが原因になっていることが挙げられます。そのため、規制を設けている自治体の大半は散骨場を設置しようとする業者を抑制します。
また、これらの地域は散骨が禁止ではなく、あくまで条件を満たせば散骨も行えます。なお、北海道長沼町と埼玉県秩父市のみ、個人で行う散骨を禁止しています。一方、これらの条件を満たす海洋散骨は、比較的個人でも業者へも依頼しやすい散骨方法といえます。
散骨する際のマナー
散骨をするときには服装や遺骨と一緒にまけるものなど、心がけるべきマナーがあります。
服装
葬儀には喪服で出席するのがマナーですが、散骨の際は喪服を避け、なるべく動きやすい服装をするのがおすすめです。
海や山で喪服を着た人が何らかの儀式をおこなう姿に対して、不快な思いをする方がいないともいえないためです。シーセレモニーの海洋記念葬でも平服でお越しいただくようにご案内しております。
粉骨
散骨を行う際、故人様のご遺骨は必ず粉骨(2ミリ以下のパウダー状)にする必要があります。これはご遺骨と分からないようにするためです。
また、海の近辺に住む方への配慮、ご遺骨を分かる大きさのものをまくと「遺棄」と見なされ犯罪になる恐れがあり、それらの問題を回避します。
心を込めてご遺骨を砕くのも供養といえますが、粉骨は決して簡単ではありません。心理的負担を軽くするためにも業者に依頼するのが良いでしょう。シーセレモニーでも粉骨を承っていますのでお気軽にご相談ください。
遺骨と一緒にまけるモノ
散骨の際、ご遺骨と一緒に故人様の大切にしていた私物や花などを一緒にまきたいというご遺族様もいます。
その際、セロファンやビニールといった素材のものをはじめ、自然に還らないものはまかないまかないようにしましょう。故人様の供養という大切儀式が、万が一でも海洋汚染の原因にならないように配慮が求められます。また、花は、花びらの部分のみをまくようにするのがマナーです。
シーセレモニーの散骨エリアは3か所
シーセレモニーでは自社保有のクルーザーで海洋散骨を行っています。
ご遺族様がクルーザーを貸切にして行うプラン、複数のご遺族様が同乗する合同散骨、スタッフがご遺族様に代わって散骨を行う代理散骨など、ご遺族様の都合や予算に合わせたプランをそろえています。散骨の場所は東京・横浜・湘南エリアの3か所で、全国海洋散骨船協会が定めるエリアで散骨を行います。
東京エリア
東京エリアの散骨場所は羽田空港と東京ディズニーリゾートの沖合です。京浜運河を通り、波の影響を最小限に抑えたルートで散骨エリアへ向かいます。
横浜エリア
横浜エリアの散骨場所へは、みなとみらいからベイブリッジを眺めながら進みます。ベイブリッジを超えた先にある大黒ふ頭の沖合で散骨を行います。湘南エリアでは、江の島の西側にある海域で散骨を行います。
湘南エリア
湘南エリアは江の島の西側にある海域で散骨を行います。この辺りはお天気がよければ富士山や伊豆大島が見える、絶好のロケーションです。乗船場所はコンシェルジェにお問い合わせください。
代理散骨は東京エリアで
現在コロナ禍ということもあり、外出に抵抗がある方もいます。そういった方には代理散骨のプランがおすすめです。代理散骨プランでは、さまざまな理由で乗船が難しいというご遺族様、ご自身にご親族様がいない方が生前に予約されてご利用いただいております。
ご遺族様が乗船する貸切プラン、合同プランと同様、シーセレモニーのスタッフが心を込めて故人様の散骨を行い、散骨後に散骨証明書を発行いたします。散骨は東京エリア、羽田空港沖で月1回のペースで実施しています。散骨日は月に1回の頻度で行っており、タイミングによってはほかの故人様の散骨と一緒に行う場合もあります。
代理散骨の場合、事前に故人様のご遺骨を粉骨(パウダー状)にして、お持ちいただくか郵送していただきます。シーセレモニーでも粉骨を承っておりますので、ご希望の方はお気軽にご相談ください。
シーセレモニーで節度をもった散骨を
シーセレモニーでは、海洋散骨を行うご遺族様に散骨の決まりや散骨当日の流れ、散骨マナーなどをお伝えしています。
そのほか、クルーザー内の設備やルール、献花のためのお花など、散骨当日について気になることがあれば、「よくあるご質問」のページをご覧ください。
お寺やお墓が関わらない散骨は自由に思われるかもしれませんが、決してそうではありません。散骨に関するルールやマナーを守ることが大切です。トラブルを避けるためにもルールやマナーを熟知している専門の業者に依頼することをおすすめいたします。
大切な故人様の旅立ちを、節度をもった葬送セレモニーで送り出してみてはいかがですか。