近年「お墓の継承者がいない」「お墓が遠方にあるため、なかなかお墓参りにいけない」などの理由から墓じまいを検討する方が増えています。
墓じまいを行う際、ご遺骨は共同墓地を使用する永代供養以外に方法がないと思っている方は意外と多いのではないでしょうか。中には墓じまいと永代供養をセットのようにして考えている方もおられるようです。
しかし、実は共同墓地を使用した永代供養のほかにもご遺骨を供養できる方法があります。
今回は、墓じまい後の供養先として共同墓地を使用した永代供養とそれ以外のさまざまな供養方法について詳しくご紹介します。
目次
墓じまい後の供養方法①永代供養
墓じまいは、お墓に納められているご遺骨を別の場所に移して供養しなければならないため、新しい供養先を見つけなくてはなりません。
また、墓じまいといえば永代供養をするものだとセットのように考えている方は意外と多いようです。実際に永代供養を選んでいる方も多いのではないでしょうか。
「永代供養」とはどういったもの?
永代供養とは、継承者がいないご遺骨を寺院や霊園が管理してくれるサービス・システムのことです。
従来のお墓の場合、区画使用料や管理費などの費用が毎年発生します。しかし、永代供養の場合はこれらの費用を契約時に支払うことで、そのあとの費用が発生しません。
日本では少子高齢化が進み「お墓の継承者がいない」「お墓の管理で親族に迷惑をかけたくない」という悩みを多くの方が持つようになっています。そういった方に向けた供養方法ともいえます。
永代供養墓の種類
永代供養墓は、大きく分けて合祀墓タイプ・集合墓タイプ・個別墓タイプの3つの形態があります。それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合った永代供養墓を選ぶことが大切です。
タイプ | 費用 | 特徴 |
合祀墓 | 5〜30万円 |
|
集合墓 | 20〜50万円 |
|
個別墓 | 40〜150万円 |
|
永代供養のメリット・デメリット
永代供養には期限が設けられておらず、寺院や霊園が続く限りその場所で供養をしてもらえる点が大きなメリットです。
一方、デメリットは一般のお墓とは違い共同のお墓を使用するため、個別にお参りができなくなることや、あとからお骨を取り出せなくなることがあげられます。
最近では、墓じまい後の新しい供養方法として共同墓地を使用する永代供養に限定する必要はなく、ほかの選択肢を検討する方法もあります。
墓じまい後の供養方法②納骨堂
納骨堂とは、ご遺骨を骨壷に入れた状態で安置しておける建物のことです。ただ安置できるだけでなく、納骨堂で供養ができる場合もあります。
納骨堂の種類
納骨堂には、大きく分けて3種類のタイプがあります。使用するスペースの大きさや立地、経営主体でも料金が大きく異なるため注意が必要です。
タイプ | 特徴 |
仏壇型 |
|
ロッカー型 |
|
自動搬送型 |
|
納骨堂のメリット・デメリット
屋内にある納骨堂は、暑さ・寒さに左右されず、雨の日でもお墓参りがしやすいのがメリットです。
また、一般的な寺院や霊園の永代供養のように共同のお墓を使用しないため、ご遺骨を個別に管理できます。
ただし、永代供養と同様に一定期間を過ぎると合祀されることが多いので、注意が必要です。
墓じまい後の供養方法③手元供養
手元供養は、ご遺骨を自宅で管理しながら供養することです。ほかにも自宅供養と呼ばれることもあります。
手元供養には大きく分けて2つの方法があります。1つ目はご遺骨のすべてを自宅で保管する方法。2つ目はご遺骨の一部を寺院や納骨堂などに納めたうえで残りを自宅で保管、供養する方法です。
手元供養品の種類
最近では、自宅で手元供養するためのさまざまな手元供養品が販売されています。主な手元供養品は、以下のとおりです。
手元供養品 | 特徴 |
ミニ骨壷 |
|
ミニ仏壇 |
|
ペンダント・リング |
|
フォトフレーム | 故人様の写真とご遺骨を一緒に飾れるタイプ |
手元供養のメリット・デメリット
手元供養のメリットは、故人様をいつでも身近に感じられることです。日常の好きなタイミングで故人様を偲ぶことができます。
また、経済的な負担も少ないことが手元供養の大きなメリットです。お墓の購入や維持管理などにかかる費用が不要なため、経済的な負担を軽減できます。
一方で、デメリットとして家族や親族の理解が得られにくい場合があります。自宅で供養することに抵抗のある家族や親族がいる場合は、十分に話し合いをすることが大切です。
関連記事:手元供養をした後、残りのご遺骨は海洋散骨で供養しませんか?
墓じまい後の供養方法④散骨
散骨とは、ご遺骨を細かいパウダー状にし、海や山などに撒くことで供養する方法です。ご遺骨のすべてを散骨する場合もあれば、一部を残してお墓に納め、自宅供養する場合もあります。
散骨は山や海など自然の広がる場所であればどこにでも散骨できるわけではありません。市区町村によって散骨が禁止されているエリアもあるため、ルールや条例に従いマナーを守って行う必要があります。
散骨の種類
一口に散骨といっても、海・山・空・宇宙にご遺骨を撒く方法があります。具体的な方法は、以下のとおりです。
散骨の種類 | 方法 |
海洋散骨 | 散骨可能な海域まで船で出向き、ご遺骨を撒く |
里山散骨 | 自分が所有する山や散骨業者が所有する山に行き、ご遺骨を撒く |
空中散骨 | ヘリコプターに乗って上空からご遺骨を撒く |
宇宙葬 | ご遺骨を封入した専用カプセルをロケットに搭載して打ち上げる |
散骨のメリット・デメリット
散骨は、故人様の願いを叶えられる供養方法です。海や山など、故人様が愛した場所へご遺骨を撒くことで、故人様の想いを尊重した供養を実現できます。
また、経済的なメリットも大きいです。散骨後の費用がかからないため、子ども世代の負担を軽減できます。
一方で、ご遺骨が残らないことがデメリットです。一度撒いてしまうとご遺骨を取り戻すことができません。故人様を偲ぶ場所がないことを寂しく感じる方もいます。
人それぞれの選択肢がある
今回はいくつかある供養方法のなかでも「永代供養」「納骨堂」「手元供養」「散骨」について触れました。
墓じまいを検討する理由が人それぞれ違うように、墓じまい後のご遺骨を供養する方法にもそれぞれのライフスタイルに合った選択肢があります。
近年、供養方法も多様化が進んでいます。「お墓以外に考えられなかった」時代と比べると、より個人の負担が少ない形での供養が可能になってきているのではないでしょうか。
シーセレモニーでは、家族や親族にとって大切な記念になるような海洋散骨を行っています。墓じまい後の散骨についてわからないことがありましたら、お気軽にご相談ください。