近年では、核家族化が進むにつれて親族の数が減少し、お墓を継承する人がいなくなるケースが増えています。その結果、お墓の管理ができずに放置されてしまうことも少なくありません。
今回は、無縁仏にならないための対策やその費用について詳しく解説します。また、お墓を必要としない供養方法についても併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
無縁仏とは?
無縁仏とは、故人に遺族や親族がおらず、葬儀や供養を行う人がいない状態で亡くなった人、または管理がされていないお墓そのものを指します。
無縁仏になる最も大きな原因は、遺族や親族がいないことです。災害や孤児、外国人労働者など、さまざまな理由により、故人に遺族や親族がいなくなってしまった場合に起こります。
また、遺族や親族がいても、お墓の供養ができない場合も無縁仏になる可能性があります。「故人と疎遠になっていた」「経済的に余裕がない」「供養をする時間がない」といった理由で無縁仏になるケースです。
無縁仏になるとどうなる?
引き取り手のないご遺骨は、自治体で葬儀を行うことになります。その後、公営の霊園や特定の無縁仏墓地などで合祀(ごうし)されます。合祀とは、複数の無縁仏をまとめてひとつの墓に納めることです。
また、無縁仏のお墓に埋葬されているご遺骨も合祀されるケースが一般的です。平成11年3月に「墓地、埋葬などに関する法律施行規則の改訂」が行われました。これにより、一定期間お墓の利用者が管理料を滞納した場合、管理者はお墓からご遺骨を取り出し、墓地の整理をすることができます。
しかし実際は、寺院によって対応はさまざまです。すぐにお墓が撤去され、埋葬されていたご遺骨が合祀墓に移されることもありますが、お墓をそのまま放置する寺院もあるようです。
出典:厚生労働省『墓地、埋葬等に関する法律施行規則の一部を改正する省令の施行について』
無縁仏にならないための墓じまい
さまざまな事情でお墓の管理を続けることが難しい場合は、無縁仏となる前にお墓を撤去し、更地に戻す墓じまいを検討することが重要です。
お墓の撤去をする費用は、平均で30万円前後が必要です。自治体によっては補助金がもらえるサポート制度や、祭祀費専用のメモリアルローンといった制度を実施していることもあります。
墓じまい後は、お墓を必要としない供養を選択することで安心して供養ができます。
関連記事:墓じまいにかかる費用はどのぐらい?費用や名目を解説
墓じまい後の供養方法と費用
現在では、墓じまい後の供養方法にも選択肢が増えました。そのなかでも代表的な方法とその費用を紹介します。
永代供養
寺院や霊園が運営している永代供養墓や納骨堂にご遺骨を納めて、半永久的に管理と供養をしてもらいます。費用相場は以下のとおりです。
供養方法 | 費用 |
合祀墓 | 5~30万円 |
集合墓 | 20~60万円 |
個別墓 | 50~150万円 |
一口に永代供養といってもさまざまな種類があるため、5~150万円と費用は幅広いです。通常のお墓とは違い、年間の管理費が必要ないところが多く、最初の契約の際に支払いをします。
関連記事:「墓じまい」した後に行う供養の方法とは? 海洋散骨・永代供養・納骨堂・手元供養について
散骨
海や山などの自然に粉末化したご遺骨を撒く供養方法です。特に、海洋散骨は人気が高く、比較的簡単に行えます。費用相場は、クルーザーを貸切にした場合でも数十万程度とリーズナブルです。永代供養墓と同様に、一度散骨を行えばその後の費用はかかりません。
シーセレモニーの海洋記念葬
シーセレモニーでは、故人様の新たなる旅立ちの日と位置づけて、海洋散骨セレモニーを海洋記念葬と呼んでいます。
ご遺族様だけでクルーザーを貸切にして利用できる「ファミリー散骨プラン」や、当日は散骨に参加できないご遺族様に代わって散骨を行う「代理散骨プラン」などをご用意しています。また、散骨終了後には散骨証明書を発行しています。
墓じまい後に海洋散骨を検討されている方は、シーセレモニーまでお気軽にお問い合わせください。ご遺族様に寄り添ったプランをご提案させていただきます。