「今年の夏に初盆を迎えるが、具体的に何をしたらよいのかわからない」という方は意外と多いのではないでしょうか。初盆(はつぼん)とは、人が亡くなってから初めて迎えるお盆のことを指します。地域によっては新盆(にいぼん、あらぼん)と呼ばれることもあります。
毎年のお盆の時期にはお墓参りに行く習慣があるという方は多いかと思いますが、初めてのお盆である初盆には、お墓参りに行くほかにも何か特別なことをするのでしょうか。今回は初盆の過ごし方についてわかりやすくお伝えします。
初盆と通常のお盆の違い
亡くなった人がこの世に帰ってくる時とされるお盆。初盆と普通のお盆ではどのような違いがあるのでしょうか。
一般的に通常のお盆の時期には、亡くなった人の霊を迎え入れるための提灯(ちょうちん)を飾り、仏壇に精霊棚や盆棚と呼ばれる祭壇を作り、精進料理、初物の野菜や果物などをお供えします。
一方で初盆は、亡くなった方が初めて里帰りする時期ということで、通常のお盆よりも念入りに供養をするのが一般的です。通常のお盆と同様に、提灯を飾りお供えをするだけでなく、親戚や友人などを招いて僧侶にお経を上げてもらい盛大に法要を行うことが多いです。
家族や親戚と会食をする
初盆の法要後には、僧侶や親戚を招いた会食の場を設けることが一般的です。しかし、初盆での会食は必ず行わなくてはならないものではなく省略することも可能です。親族が少ない場合や日頃から親戚と疎遠な場合などは法事だけを行うこともあります。
会食を行う目的は、時間を作って来てくれた親族や友人への感謝を示すためであったり、たまにしか顔を合わせない親族や友人とのコミュニケーションのためであったりします。
会食の場所については特に決まりはなく、法要会館に併設されている部屋や近くのお店、自宅などさまざまな選択肢があります。しかし、最近は感染症対策のために室内で会食を行うことが難しくなっている現実があります。
供養と会食を同時に行える「海洋散骨」という方法
法要後の会食を何か特別な思い出に残るようなものにしたいとお考えでしたら、海上で供養をしながら会食もできる「海洋散骨」という方法もあります。
海洋散骨とは、ご遺骨をパウダー状にして海にまくことで故人様を供養する自然葬のひとつ。お墓を持たない供養方法を検討する方が増えている昨今、多くの人に注目されている方法です。
会食を伴う海洋散骨では、ご遺族の皆さまでクルーザーに乗り沖へ出た後に散骨セレモニーを行い、そのまま船上で故人様を偲びながらの会食を行えます。広々とした海上でのセレモニーや会食は、ご遺族の皆さまにとっても特別なひとときになることかと思います。
それぞれに思い出深い初盆を
初盆は、初めて里帰りをしてくる故人様の霊をもてなすための期間です。
通常のお盆と違い、親戚を招いた盛大な法要を行い、会食の場を設けることが一般的なため、事前に日時の調整や案内状の送付などさまざまな準備が必要になります。また、風習が家庭や地域によって違う場合があるため、細かい事柄は周りの方に聞いて確認しておくと安心して初盆を迎えられます。
初盆を始めて経験する場合はさまざまな準備の多さに困惑することもあるかもしれませんが、できる範囲で環境を整えて故人様の霊をお迎えしましょう。