故人様やご先祖様を供養するための仏壇(ぶつだん)や位牌(いはい)。実家にはあるけれど、自分の家にはないという人は多いのではないでしょうか。
昔とは違い、核家族で暮らすのが当たり前のようになった現代では、部屋に大きな仏壇を置く場所がないなどの環境的な理由もあり、仏壇離れが進んでいます。
そして最近では、仏壇や位牌を持たなくても故人様やご先祖様を供養できる手元供養という方法や海洋散骨という儀式が新しい供養の形として多くの方々に注目されています。特に難しい条件はなく、どなたでも検討しやすい供養方法としての手元供養や海洋散骨について詳しくお伝えします。
ご先祖様の供養方法はひとつではありません
先祖供養とは、これまで命をつないできてくれたご先祖様に感謝や尊敬の気持ちを念じることです。たとえば、先祖代々から受け継がれたお墓を訪れてお線香やお供え物をしたり、お墓の周りをきれいに掃除したりすることは、先祖供養として誰もが想像しやすいことではないでしょうか。
また、仏壇に向かってお祈りをすることや年忌法要を行うことも先祖供養だといえます。先祖供養とは、必ずしもお墓や仏壇など宗教的な形式がないと行えないものではありません。お寺にお墓を持たない方、仏壇を持っていない方もさまざまな方法で先祖供養を十分行うことが可能です。
そして、お墓離れ、仏壇離れが進む現代では、さまざまな種類の供養方法がより一般化しつつあり、自分に合った選択がしやすくなってきています。
仏壇や位牌による供養
仏壇には、大きく2つの役割があります。
1つ目は、その名の通り仏様をお祀り(おまつり)することです。たとえば、仏壇を持つことは家の中に小さなお寺を作るようなイメージです。
2つ目は、故人様やご先祖様を供養することです。位牌とは、仏壇の中に置かれている文字の書かれた木製の札のことで、これは故人様の魂が宿るとされている大切なものです。
位牌には、故人様のお名前や戒名などが記されています。仏壇にお線香を上げ、手を合わせて祈りながら故人様と対話することは心のこもった供養方法の一つです。
自宅でできる手元供養
手元供養は、いつでも自分のすぐそばで供養ができる方法のことです。
たとえば、ご遺骨を自宅で美しい小さな骨壷に入れて安置し供養することやご遺骨を入れたペンダントを肌身離さず身につけることなどが手元供養にあたります。
全てのご遺骨を手元供養にする場合もあれば、一部を家族墓や永代供養墓に納骨し、一部を海洋散骨という形で自然葬にする場合などさまざまな方法が可能です。
大自然に故人様を還す海洋散骨
海洋散骨とは、広々とした海にご遺骨をまくことで故人様を供養する方法です。一般的には、ご遺族様で船に乗り沖へ出た後、水に溶ける袋に入れた粉末状のご遺骨を海にまき、献花や献酒などを行いながら故人様を偲ぶセレモニーの時間を持ちます。
海が好きな方、お墓を持たずに自然に還る供養に興味がある方などをはじめ、多くの方々に注目されています。ご遺族様のみで船を貸し切って行う場合には人目を気にすることなく故人様の旅立ちを見送る貴重な時を過ごせます。
あなたならどのような供養方法を選びますか
これまでの時代、多くの方々にとって供養といえばお墓参りや仏壇に向かって手を合わせることだったのではないでしょうか。
しかし最近では、子供が少なくてお墓の継承者がいない、またお墓から離れた土地に住んでいるためになかなかお墓参りができないという悩みを持つ方が増えるにつれて、自宅に祈りの場所を持つ手元供養や海や山などの大自然に向かって故人様を偲ぶ散骨などが、より一般的になってきています。
自分らしい、故人様らしい供養方法を選べる今の時代。あなたならどのような方法を選びたいと思いますか。