近年さまざまな供養の方法に注目が集まり、山に遺骨をまく「山林散骨」を考える方も増えているのではないでしょうか。お墓に納骨するのではなく「自然に還る」といった考え方で、地球の自然のなかで安らかに眠ることを希望する方が増えつつあります。
この記事では、関東で山林散骨な場所があるのか、その費用相場や注意点について詳しく解説します。
目次
関東の山で散骨できる?
山林への散骨は法律違反にはなりません。ただし、山林には必ず所有者がいます。国有林や自治体の所有地、他人の所有地に許可なしでは散骨できません。観光地として栄えている区域や、住宅街などでは、条例により散骨が禁止されている場所もあります。
関東で散骨したい場合、方法としては以下の3つに分けられます。
- 自分の所有地に散骨する
- 土地の所有者に許可をもらい散骨する
- 専門の業者に依頼し、業者が所有する場所に散骨する
山林散骨は専門の業者に依頼するのが安心です。業者が散骨専用の土地を所有しているため、自分が山を所有していなくてもトラブルを避けて散骨することが可能です。専門の業者を利用する場合は、代行での散骨が行われることがほとんどです。散骨を代行した際に、散骨証明書を発行する業者もあります。
また、山林散骨をする場合はご遺骨がそれとわからないよう粉状に加工する「粉骨」を行う必要があります。業者に依頼することで粉骨作業から散骨までをトータルで請け負ってくれることが多いです。
山に散骨する際の費用相場
前述したとおり、散骨をする際は既定の大きさにご遺骨を粉骨する必要があります。専門業者へ粉骨を依頼する場合、費用相場は1~3万円です。粉骨時の立会いを希望したり、全ての工程を手作業で依頼する場合は、費用が追加されることがあります。
また、粉骨から散骨までの工程を全て業者へ依頼する場合、費用相場は20万円程度です。散骨したい地域にいくつかの業者があれば、事前に希望を伝え見積もりをしてもらうと安心です。散骨証明書を発行してくれるかどうか、説明が分かりやすいかなどをチェックして安心して散骨を依頼できる業者を選びましょう。
山に散骨する注意点
山への散骨は、規制やルールが多くあり、ご遺骨に関係のない人々や自然への配慮が必要不可欠です。
ここからは、山で散骨する際に注意すべきポイントについて解説します。
必ず粉骨する
散骨を行う際は、ご遺骨とわからないように、2mm以下の粉状になるよう細かく粉骨する必要があります。
ハンマーやすり鉢などを使えば個人でも粉骨はできますが、遺骨を全て粉末にするには手間も時間もかかり、精神的に大きな負担にもなるため、業者へ依頼するのをおすすめします。
土地の所有者へ許可を取る
自分で散骨したい場合は、場所を所有している方や団体、会社などから許可を取る必要があります。国有林や自治体、故人の所有地などに散骨する場合は、許可なく散骨ができません。自分の土地に散骨する場合でも、近隣の住民に迷惑をかけないよう、最大限配慮しましょう。
なお、現在埋葬されているお墓から他のお墓や納骨堂に遺骨を移す場合は、市町村自治体から改葬の許可を取る必要があります。
散骨のために遺骨を取り出す場合も許可が必要ですが、自治体によって対応が異なるため、墓地のある市区町村役場で必要な申請内容をチェックしましょう。
天候や災害に注意する
散骨のために山林に入る場合、台風や大雨、降雪、凍結などがおこる時期は避けたほうが賢明です。山林は平地と気象状況が異なる場合があり、思わぬ災害が起こる可能性があります。
自然への配慮を忘れない
お供え物を持ち込む場合は、環境に配慮し必ず持ち帰るようにしましょう。散骨時にルールやマナー違反があると、土地の所有者に迷惑がかったり、無用なトラブルを起こしてしまう可能性があります。
また、線香やロウソクなど火を扱う場合は十分に注意してください。季節にもよりますが、山林には枯れ枝や落ち葉など燃えやすいものが多いため、小さな日でも瞬く間に大きな火災になってしまうことがあります。
埋葬はしない
散骨とは、単に遺骨を撒くことです。墓地以外のところに遺骨を埋葬することは法律で禁止されているため、遺骨を埋めたり、土をかぶせたりするのは避けましょう。
ほかの散骨方法
山への散骨以外に、海へご遺骨をまく「海洋散骨」もあります。海洋散骨の場合には、海水浴場や漁業など生活圏を避け、周りへの迷惑にならないよう節度を守って行う必要があります。一般的には船で陸から離れた沖まで行って散骨します。
海洋散骨を専門業者に依頼する場合は、代理散骨以外のプランを備えている場合が多いです。船を貸切って散骨を行う「貸切散骨」と、複数のご遺族と乗船する「合同散骨」、主にこの2種類を用意しています。山林散骨の場合と比べると、海洋散骨はご遺族の希望に合わせて柔軟な選択が可能です。
近年知名度が上がりつつあるのは、「宇宙散骨」です。バルーンやロケットを利用し、ご遺骨を宇宙へ飛ばすことで散骨を行います。
海洋散骨ならシーセレモニーへご相談ください
最近は「お墓を持たない」という選択肢が増えつつあり、自然への散骨や手元供養などの選択肢も広く知られるようになりました。自然への散骨は、各自治体の条例や地域住民への配慮など制約が多くありますが、海や山などの身近な場所で故人様を感じることができる素敵な供養方法ではないでしょうか。
シーセレモニーでは、ご遺族の希望に沿った海洋散骨のプランを豊富にご用意しています。国内外から選べる散骨場所や、粉骨を依頼できるオプションも揃えています。
散骨に関するトラブルを避け、安心して散骨を行いたいという方は、お気軽にシーセレモニーへご相談ください。