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海洋散骨は法律上に問題ないのか?基本知識・法律・マナーを解説

2024.09.04
海洋散骨
東京湾とビル群

日本における従来の埋葬方法といえば、先祖代々のお墓に入ることが当たり前でしたが、ライフスタイルの多様化に伴って、最近ではさまざまな埋葬方法を自由に選べる時代になってきています。例えば、墓石に納骨するという弔い方だけでなく、樹木を墓標とした樹木葬や海での散骨など、さまざまな形の弔い方を選ぶ方が増えています。

海洋散骨や樹木葬などの新しい供養方法を近年希望する方が増えている一方で、「法律的に問題はないのか?」と疑問に思われる方も多いようです。結論からいえば、国内での海洋散骨は、法律的な意味合いにおいて基本的に問題ありません。

しかし、いくつかのルールやマナーは存在しているため、これらに則る必要があります。

そこで今回は、海洋散骨におけるさまざまなトラブルを回避するために、知っておきたい基礎知識や海洋散骨の法律・マナーについて詳しく解説していきます。

海洋散骨は法律上問題ない行為であること

青い海と砂浜

ご遺骨を海に撒くという行為は、日本の法律上において現在問題はありません。その理由として、以下が挙げられます。

海洋散骨について明文化されていない

従来の埋葬方法は、「墓地、埋葬に関する法律」に基づいて行われており、この法律に違反すると罰せられる可能性がありました。

しかし、この法律には海洋散骨を禁じる条文が含まれていないため、海洋散骨自体は法律違反ではありません。総務省も、散骨が節度を持って行われる限り、違法ではないとの見解を示しています。

このため、一部の例外を除き、日本国内では海洋散骨が自由に行える状況です。海洋散骨が法的に許容されている主な理由は、現行法において明確な禁止規定がないことにあります。

ただし、散骨を行う際には、場所や方法に配慮が必要です。特に、海水浴場や漁業権のある海域など、他者に影響を与えうる場所での散骨は避けるべきです。また、散骨前には遺骨を粉骨(細かく砕くこと)することが推奨されています。

業者向けのガイドライン制定

散骨の方法が多様化している現在、海洋散骨や山中散骨、宇宙葬などを提供する事業者の数が増加しています。この流れに伴い、散骨に関する知識が不足している事業者や、不当に高い料金を要求する事業者が現れるリスクも高まっています。

このような背景を受けて、2021年3月には散骨事業者を対象とした『散骨に関するガイドライン』が発表されました。このガイドラインは、散骨サービスの質を維持し、消費者を守るために重要な役割を果たします。ガイドラインには、散骨の適切な手順、透明な情報提供、料金設定の基準などが定められています。

散骨サービスを選択する際には、事業者がこれらのガイドラインに従っているかを確認することが肝心です。さらに、散骨を行う際には、故人の意向や遺族の願いを尊重し、儀式やセレモニーの内容についても事前に十分な相談を行うことが推奨されています。

総務省が提示する「節度を持って行う」散骨とは

富士山が見える湖

海洋散骨は「節度を持って行われる限り」自由に行えると、総務省は提示しています。では、具体的に散骨に関してどのような行動が「節度」といえるのでしょうか。

節度を持って行う散骨とは

粉骨とは、ご遺骨の元の形が分からないように細かく砕く作業です。先程紹介した『散骨に関するガイドライン』では、一辺の長辺が2mm以下を目安にパウダー状にまで砕くことを推奨しています。粉骨作業は個人が行うことも可能です。

しかし、その作業は精神的にも肉体的にもつらいといいます。また、時間が掛かったり、上手に砕けなかったりすることもあるため、強いこだわりがなければ、粉骨専門業者に依頼するのが得策です。

散骨前に必ず粉骨をする

火葬直後のご遺骨や一度納骨をしてお墓から取り出したご遺骨を、そのままの状態で海へ撒くことは禁止されています。

それを無視して撒いてしまうと最悪の場合、死体遺棄という法律に抵触することになります。そのため散骨をする前には必ず粉骨という作業を行う必要があります。粉骨を行うことで散骨が法的に問題なく行えるようになります。

散骨する場所に配慮する

海と砂浜

海洋には個別の所有権が存在しないため、一見するとどこでも遺骨を散布できるように思えますが、実際には他人への配慮が不可欠です。たとえば、海水浴場や観光地、漁場、養殖場など、多くの人々が訪れる場所での散骨は、故人様が生前に望んでいた場所であっても避けるべきです。

このため総務省は、漁業権がない沖合いや人目につかない場所での散骨を「節度を持って行う」として推奨しています。散骨の場所選びでは、公共の場所や他人の活動に影響を与える可能性のある場所は避けることが望まれます。

これは海洋散骨の尊厳を守ると同時に、他者への思いやりを示す行為でもあります。散骨を行う際にはこれらの点を考慮し、故人を敬いつつ、周囲の環境や他者への配慮を忘れないよう心がけましょう。

海洋散骨の注意点、気を付けなければならないこと

献花用の花びらのイメージ

特に代々受け継がれてきたお墓を所有している家庭では、海洋散骨の他に墓じまいの問題も関係してくることがあります。墓じまいは1人だけの問題ではなく、親族の意見を聞いて進めなければなりません。

親族間で起こりうる、海洋散骨の問題点とトラブルを防ぐ方法を解説します。

自治体の条例を確認する

国で定められた法律はないものの、自治体の条例で散骨を禁止していたり、許可が必要であったりする場合があります。条例を制定した理由として、近隣住民とのトラブル防止や観光地のイメージを守るためという背景があります。

現在では、静岡県熱海市や伊東市で海洋散骨に関するガイドラインが策定されているようです。全国的に見ると、散骨を禁止している自治体は多くありませんが、不要なトラブルを避けるためにも条例について必ず確認しておきましょう。

特に、墓じまいを伴う場合や特定の地域での散骨を考えている場合は、改葬許可申請などの手続きが必要になることがあります。

海洋散骨への反対

故人が海洋散骨を望んだとしても、親族と価値観が異なると反対される恐れがあります。お墓に埋葬することは古来から続く風習です長年の習慣を突然やめて海洋散骨をしたいと思っても、価値観が異なる相手に理解してもらうのは難しいでしょう。

散骨を拒否する理由は家族によって違うため、一人ひとりと向き合い、相手が理解し、納得させなければなりません。感情を無視して強引に海洋散骨を行うと、家族間の関係に亀裂が入ることもあります。

天候等により予定日に行えない

海洋散骨は海上で行うため、天候により予定日に散骨できない場合があるため注意が必要です。

しかし、会社によっては「この気温なら船を出しても問題ない」と予定を進めてしまうところもあります。

天候そのものは会社ではどうすることもできませんが、海上散骨を進めたとしても、船酔いしたり後で体調を崩したりする方もいます。天候によって海洋散骨ができるかどうかを正しく判断できる業者を利用すれば、トラブルなく海洋散骨をできるでしょう。

海洋散骨時の服装にも注意

通常法事に関する場所では、喪服を着用します。それに倣って海洋散骨をする場合も、喪服を着るべきだと思いがちですが、実はマナーとして喪服ではなく普段着が望ましいといわれています。

当日は、散骨場所まで船に乗って沖合へ行きますが、その時利用する乗船場には観光やレジャーを楽しむ一般客が大勢います。そういった方への配慮として、喪服ではなく普段着にします。

また散骨する海域までは船に乗っていきますが、当日の波の高さによっては足元が不安定になるため、女性はヒールのある靴ではなく、スニーカーのような滑りにくい靴を選ぶのが得策です。

環境に配慮した副葬品

粉末化されたご遺骨の成分は大半がリン酸カルシウムのため、散骨したとしても海洋を汚染することはありません。

しかし、ご遺骨とともに副葬品を海に撒く場合には注意が必要です。結論からいえば副葬品は自然に還るものだけを選びます。

例えばお花を撒く場合、花束を包んでいたビニールは決して海に投げ込んではいけません。花束もそのまま撒くのではなく、茎や葉を取り除き、花びらだけを海に撒く方が環境に優しい海洋散骨となります。副葬品に関しては自然に還るものを選び、環境への影響を最小限に抑えることが求められます。

海洋散骨の平均費用

礼服で計算機を持つ女性

海洋散骨には1家族で船を借りる「貸切散骨」と、複数の家族で船を共有する「合同散骨」があります。それぞれのプランで費用は異なりますが、目安となる金額は以下の通りです

  • 貸切散骨:約15万円~40万円
  • 合同散骨:約15万円~30万円万円
  • 委託散骨:35,000~10万円

貸切散骨は船をチャーターする費用、スタッフ人件費、燃料費などが各家族で負担するため他の海洋散骨と比較すると割高になります。合同散骨は複数のご家族で1隻の船を利用するプランで、貸切散骨よりも費用が安いのが特徴です。

散骨サービス選びのポイント

小型クルーザーSC-30

散骨サービスには様々な種類があります中には法律違反をする悪徳散骨業者も存在するため、散骨業者選びは重要です。

ここでは散骨サービス選びのポイントを紹介します。信用できる業者を見極めるための参考にしてください。

料金が明瞭でわかりやすいか

散骨サービス業者によって料金システムは異なり、料金体系がわかりやすいサービスを選ぶことをおすすめします。

散骨の際お花やお酒のサービスがあることが多いですが、サービスによっては基本プランに含まれていたり、オプションになっていたりします。最終的な料金が高額にならないよう、明朗会計の業者を選びましょう。

散骨のルールは守られているか?

散骨を依頼する際は、ルールに則ったサービスを選びましょう。散骨は法律違反ではありませんが、一定のマナーを守る必要があります。

特に散骨場所は、周囲の環境や住民の迷惑にならないように選択しなければなりません信用できるサービスを見極めるためにも、散骨場所を明確に説明してくれる会社を選ぶことが大切です。

みなさまに安心していただける海洋記念葬

海洋散骨のシーン

故人様の生前からの願いや、ご遺族の希望により海洋散骨を選ぶ方は増えています。

しかし、一般的な供養方法とは違い、今回ご紹介したように注意しなければならない点も多くなります。そのため「海洋散骨に関する知識がなくて不安」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。その場合は、ぜひシーセレモニーの海洋記念葬をご検討ください。

シーセレモニーでは、故人様の新しい旅立ちの日を大切な記念日にするため、ご遺族の想いに寄り添える散骨を提供しています。散骨プランの内容の詳細は専門のコンシェルジュがご遺族の想いをお伺いしながら決めていきます。

ここからは、数多くご用意しているプランの中から、特におすすめの2つについてご紹介します。

代理散骨プラン

代理散骨プランは遠方の方やご事情により乗船できないご遺族に代わって、シーセレモニーのスタッフが散骨を行うプランです。

散骨エリアは、東京、横浜、湘南、大阪、沖縄と全国各地にあります、それぞれリーズナブルな価格で提供しており、散骨・献花・献酒・黙とうといったセレモニーで故人様をお送りいたします。ご遺族は乗船できませんが、別途料金にて乗船場所でのお見送りができます。

後日、散骨を行った海域を記載した散骨証明書の郵送や、散骨の様子を記録した写真をご提供いたします。散骨証明書には、散骨を行った海域の緯度経度が記載されているため、年忌法要では故人様の眠る場所へお参りに行くことも可能です。

代理散骨プラン

ファミリー散骨プラン

ファミリー散骨プランはクルーザーを一隻丸ごと貸切にしてご利用いただくプランです。ご家族やご親戚の方々と乗船し散骨していただきます。

チャーターしたクルーザーの定員まででしたら、何名様のご利用でも金額は変わりません。エリアは東京以、横浜・湘南・大阪・沖縄・ハワイでの散骨も可能です。自分たちだけでクルーザーを貸切にできることから、ご遺族様の希望に合わせたセレモニーが行えます。

例えば故人様との思い出の品を持ち込んだり、故人様が好きだった音楽を流したりと、散骨エリアに到着するまでの時間を、思い思いにお過ごしいただけます。

代理散骨プラン同様、散骨の際に色とりどりの花びらを海に撒いたり、故人様に捧げる日本酒を海に撒いたりできます。また、クルージング中や散骨の際に撮影した写真は、データでご遺族にお送りします。散骨が行われた海域の緯度経度を記録した散骨証明書は、散骨後にご遺族のもとへ郵送されます。

ファミリー散骨プラン

散骨エリア

オプションを追加できる散骨プラン

代理散骨プラン、ファミリー散骨プランともに、オプションを追加することが可能です。

散骨後のお食事会も可能

中型以上のクルーザーであれば、お食事のオプションが追加できます。

ビュッフェコースや本格船上BBQなどメニューも豊富です。散骨後に船上で故人様の思い出を語り合いながら、ご会食をお楽しみください。

オプションを複数組み合わせた世界に一つだけのオリジナルの散骨プランは、故人様との最後の時間を、忘れられない思い出に変わるはずです。

お食事追加

献酒追加オプション

故人様の葬送セレモニーの際に捧げるお酒を追加することができます。

通常のファミリー散骨プランには四合瓶の日本酒が含まれますが、特定の銘柄を指定したい場合やお酒の種類にこだわりたい場合には、このオプションがおすすめです。

ご遺族様がお酒を持ち込むことも可能ですが、シーセレモニーにお任せいただければ、クルーザーへの搬入や片付けまで全て対応します。

献酒追加

ご遺骨で作る世界に一つのダイヤモンド

散骨プランのなかには、故人様のご遺骨を使用して世界に一つだけのダイヤモンドを作成する特別なオプションもあります。

ご遺骨から作られたダイヤモンドは、故人様の記憶を形に残すための貴重な手段となり、ご遺族にとって大切な思い出の品となるでしょう。

ご遺骨で作る世界に一つのダイヤモンド

プランオプション

安心の葬送セレモニーをプランニング

海洋散骨は許可された場所と方法で節度を持って行われる限り違法ではないため、安心して散骨できます。

シーセレモニーでは、乗船される人数やご希望のセレモニー内容によって、最適なクルーザー選びから散骨方法までお客様に最適なプランをご提案いたします。

散骨クルーズをよりイメージしていただけるよう、経験豊富なスタッフが些細なご質問にも丁寧に回答いたします。もし、不安なことや疑問点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。


監修者 | 島田 快

散骨ディレクター・終活カウンセラーを務めております島田です。皆さまからいただきました疑問の声にお応えしながら、少しでも海洋散骨のご不安を和らげるお手伝いを出来ればと思っています。海洋散骨に限らず、終活や墓じまいに関してのお悩みなどもお気軽にお寄せください。

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ご料金のことやご日程など、お客様のご要望に沿って海洋散骨の詳細を決めていきます。
ご不明点やご相談も弊社のコンシェルジュが丁寧に対応させていただきますので、お気軽にお問合せ下さい。
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