時代のニーズにとともに埋葬方法が多様化してきました。過去に経験のない新しい埋葬方法を視野に入れ悩んでいくなかで、疑問や不安を抱く方も多いのではないでしょうか。
埋葬に関する法律を知ることで安心して埋葬を行えます。今回は埋葬に関する法律について解説します。
トラブルになる前に知っておきたい埋葬に関する法律
日本では墓地、火葬場などの遺骨や遺体の処理に関する法律である「墓地、埋葬等に関する法律」(通称「墓埋法」)が制定されています。
この墓埋法は、埋葬や火葬を宗教的感情に適合することや公衆衛生、そのほかの公共福祉に対しても支障なく行うためのものであり、違反した場合には罰則もあります。
法律は条文や記述の仕方が複雑なため、どの部分を知っておくべきなのか分からない方も多いはずです。大切な人との最後の時間。トラブルへの対応に追われることがないように、墓埋法について理解しておきましょう。
埋葬・火葬のルール
墓埋法は、埋葬や火葬に関わる全員が厳守しなければならないルールです。法律の内容は多くありますので、一部抜粋して紹介します。
埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後二十四時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。但し、妊娠七箇月に満たない死産のときは、この限りでない。
埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない。
死体の埋葬又は火葬を行う者がないとき又は判明しないときは、死亡地の市町村長が、これを行わなければならない。
引用元:墓地、埋葬等に関する法律
埋葬や火葬は死後24時間以内に行っていない法律があります。ほかにも、行政から許可を得ていない場所に埋葬することは違法であることもあります。
改葬する際の届け出について
少子高齢化をはじめ、さまざまな時代の変化に伴い、需要が増加しているのが墓じまいです。
墓じまいは、今あるお墓から別の方法で供養することを指します。また、納骨されている遺骨をお墓から取り出し、希望する埋葬・供養先へ移動することを改葬といいます。
埋葬や火葬したあとに行う改葬は法律で定められているため、あらかじめ必要な手続き・届け出について知っておきましょう。
ステップ1
まずは、親族とお墓のある寺院に改葬の意思を伝え、了承を得ます。親族間のトラブルにならないように細心の注意を払います。
ステップ2
次に、改葬先から受入証明書を発行してもらいます。
これで正式に改葬先が決定するので、お墓のある寺院に改めて改葬を申し出、埋葬証明書を発行してもらいます。
ステップ3
最後に、役所にて「改葬許可申請書」を記入し、「受入証明書」と「埋葬証明書」の全3点の書類を提出。「改葬許可証」が発行され改葬が可能となります。
備考
市区町村・自治体によって進め方が異なる可能性があります。墓じまいや改葬する際は事前に確認するようにしておきましょう。
違反した場合はどうなる?
墓埋法では、管理者や経営者に加え法人や代理人、従業員に対しても適用される罰則が2種類あります。
まず1つ目は、以下のとおりです。
- 死亡後24時間以内に火葬を行った場合
- 埋葬や火葬を許可証のない状態で行った場合
- 都道府県知事が必要と認めた立ち入り検査を拒むなどをした場合など
1,000円以下の罰金または拘留、もしくは科料となります。
2つ目は、都道府県知事による許可なしに墓地や納骨堂、火葬場を経営した場合です。
都道府県知事からの公衆衛生や公共の福祉の観点から、整備の改善、一部の使用制限もしくは禁止を命じられ、応じなかった場合には6か月以下の懲役または5,000円以下の罰金としています。
散骨に関するガイドラインとシーセレモニーの取り組み
墓じまいを行った後に散骨を検討されている方も多いのではないでしょうか。最近では海洋散骨の人気も増えてきており、一つの供養方法として認められています。
実際、令和3年に厚生労働省から散骨に関する『散骨事業者向けガイドライン』が発表されました。また、協会やシーセレモニーが提唱および実施してきた周囲、自然、関係者への配慮や安全の確保など、散骨業者が厳守すべき内容や散骨関連団体が適切に行うための指導に努める役割を担うことも明記されています。
シーセレモニーはこのガイドラインにのっとり、教育訓練を実施。必要な知識を身につけた従業員が周囲に迷惑をかけず、安心安全な散骨クルーズを提供しています。海洋散骨に関して不安な点や疑問点がありましたら、お気軽にご相談ください。