一度納骨を済ませたお墓から別の新しいお墓に移動する場合など、お墓から遺骨を取り出したいからといって、勝手に遺骨を移動させられるわけではありません。実際には正しい手続きを踏み、適切な対応を行いながら遺骨を移動させます。
また、実際に取り出すときや再び納骨する際には特別な供養を行う必要があります。そこで今回は、お墓から遺骨を移動する際の手続きの方法や遺骨の移動にまつわる注意したい事柄について、詳しく紹介します。
ご遺骨の移動には許可が必要
元のお墓から遺骨を取り出し、別のお墓に納骨し直す場合、改葬許可が必要です。
具体的には、移動する前のお墓がある自治体に改装届を提出し、改葬許可申請書を発行してもらいます。これがないと新しいお墓に納骨することができません。
改葬許可申請書を発行してもらうには、現在のお墓に遺骨があることを証明する埋葬証明書と新しく遺骨を移すお墓の受入証明書の両方が必要となります。通常、手続きは2.3日で終わり、自治体によっては郵送でも手続きが行えるようです。
閉眼供養と開眼供養
閉眼供養とは、元のお墓から遺骨を移動させる前に僧侶に読経してもらう供養方法です。
魂抜きとも呼ばれており、これを行わないとお墓の撤去作業を受け付けないという石材店も多いようです。そして、遺骨を移動させた先のお墓で行うのが、魂入れともいう開眼供養です。
これも閉眼供養と同様に、僧侶に読経をお願いします。また、閉眼供養、開眼供養は僧侶にお布施やお車代を渡す必要があります。それぞれ、1万円から5万円程度が相場といわれています。
移動の前は親族への相談を忘れずに
遺骨の移動にまつわるトラブルの多くは、身内や親族間での意思疎通が取れていないことが原因のようです。
特に、先祖代々のお墓を移動させるのに抵抗を覚える方もいます。身内であっても、故人を偲ぶスタイルは違うため、新しいお墓に移動する前にきちんと承諾を得たり、今後のお墓の管理について話し合ったりする場を設けるようにしましょう。
ご遺骨を移動する際の容器
遺骨を移動させる際に使用する容器ですが、通常は骨壷や骨箱を使用します。
近年では、骨壷専門の会社もあり、おしゃれなデザインや模様の入った骨壷も多くあります。故人の雰囲気に合ったものを、事前に用意しておくのもいいかもしれません。
ご遺骨の一部は手元供養する方法もある
故人をいつまでも身近で感じていたいなら、遺骨を移動させる際に一部を分骨して手元供養をしてみてはいかがでしょうか。
最近では、手元供養のためのミニ骨壷も数多く販売されています、素材も真鍮やステンレス、陶磁器などさまざまです。どのようなタイプのご自宅にも置きやすいデザインとなっています。
また、遺骨を宝石のように加工して、プレートやオブジェとして飾ったり、ペンダントやリングのように身に着けたりしている方も多いようです。シーセレモニーでも手元供養品を扱っておりますのでお気軽にご相談ください。
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