少子化や核家族化など、時代の流れとともに「亡くなったら先祖代々のお墓に入る」という従来の形にとらわれない自由な葬送が選択肢の一つとして注目を集めるようになりました。
自由な埋葬方法には、海に遺骨をまく海洋散骨や樹木に遺骨を埋める樹木葬などの自然葬があります。ここでは、自然葬の一つである散骨を選ぶ理由やどのような方におすすめなのか詳しくご紹介します。
目次
散骨はご遺骨を自然に還す葬送方法
散骨とは、自然葬とも呼ばれる方法の一つで、海や山など自然にご遺骨をまいて供養することをいいます。
宗教で定められた方法や亡くなったら先祖代々のお墓に入るというこれまでの方法にとらわれず、自然復帰への願望の高まりから新しい葬送として少しずつ利用する方が増えています。
時代と共に変化する供養の方法が多様化し選択肢が増え、ご遺族様の考えに合わせた葬送ができるようになってきました。
注目を集めるようになったのは1990年代
散骨という供養方法が着目されるようになったのは最近の話ではなく、1990年頃まで遡ります。
それまでは遺骨をまくのは違法だと思われていましたが、法務省によって「節度を持って行う場合の散骨に違法性はない」との見解が発表されました。そこから「散骨」という言葉が多くの方に知られることになり、現在ではよく聞かれる葬送の一つとなっています。
散骨時のマナー
散骨はマナーや注意点を守り、行う必要があります。
一般的な散骨の場合は骨を2ミリ以下に砕き、遺骨だとわからないようにすることやまく際は海水浴場など人の多い所や漁場、養殖場などを避ける配慮しなければなりません。近隣住民とのトラブルはスムーズに故人様を供養することができなくなってしまいますので注意しましょう。
散骨を選択する理由
散骨を行うのは、ご遺族様の意向による場合もありますが、故人様が生前に遺骨を自然に還したいと希望されていることが多く、ライフスタイルの変化や家族構成など、選ぶ理由はさまざまです。そのなかでも主な理由として3つご紹介します。
1.自然に還りたいとの願い
故人様が生前に海や山に関係する職業に就いていたり、趣味があったり、思い入れがある分その場所に散骨してほしいという気持ちが強いように感じます。
職業や趣味に関係しなくても大切な人との思い出や故郷の場所という理由で選ばれることもあります。最後は、開放感のある大自然に還るのが自分らしいと考える方もいます。そのような場合は、ご家族が困らないようにきちんと正確な場所などを伝えておく必要があります。
2.家族に将来負担をかけたくない
先祖代々受け継がれてきたお墓がある方やお墓を建てるべきか悩む方が気にする点は、「将来残された家族・子どもたちに負担をかけたくない」ということです。
金銭面においては、お墓を購入するのにもお金がかかります。墓地にあるだけで維持費がかかり、遠方であれば、定期的にお墓の様子を見にくる交通費など必要です。
また、お墓を管理するには手間もかかります。さまざまなことが負担になってしまうかもしれないという心配が身内だからこそあるのではないでしょうか。
3.無縁墓になる心配がない
お墓があっても後継者となる子どもがいなかったり、法的な夫婦でなかったり、将来管理する人がいない無縁墓になってしまう可能性が高いです。それらを防ぐための方法として散骨は効果的だと考えられています。
分骨して一部を手元供養にする形
故人様が散骨を希望されていても、ご遺族様としては心のよりどころがなかったり、手を合わせる墓石がなかったり、どこか寂しい思いを感じてしまいます。
すべてのご遺骨を散骨することも可能ですが、一部のご遺骨をペンダントに入れて身に付けたり、小さな骨壷に入れて自宅において手元供養したり、複数のお墓に納骨したりするのもおすすめです。
事前に分骨の意志があれば、葬儀担当者にその旨を伝えておき火葬後のお骨上げの際に、いくつかの骨壺にわけることができます。
シーセレモニーではオプションとして手元供養品のご用意も多数ございます。
故人様の旅立ちをお手伝い
さまざまな理由で散骨をご希望されている故人様やご遺族様のために、シーセレモニーではクルーザーを貸し切って行う「ファミリー散骨プラン」やスタッフがご遺族様の代わりに散骨を行う「代理散骨プラン」をご用意しております。
散骨をご検討されている方やお悩みの方など、ぜひ一度ご相談ください。