近年、「お墓に入りたくない」と考える方が増えており、供養のあり方も多様化しています。自分らしい最期を考える方に注目されているのが、自然に還る「散骨」という選択肢です。
今回は、「お墓に入りたくない」と考える方が増えている理由や、散骨を選んだ場合の手続きや流れについて解説します。また、シーセレモニーが提供する海洋散骨プランもご紹介するので、供養の方法にお悩みの方は参考にしてください。
目次
「お墓に入りたくない」と考える人が増えている理由
近年、「お墓に入りたくない」と考える人が増えています。その背景には、いくつかの理由があります。
- 経済的な負担からお墓を建てたくない
- お墓の管理や継承者の問題から墓じまいを検討している
- 価値観や死生観の変化により、自分らしい旅立ちを希望している
まず、墓石や土地の購入費が高額であるため、遺族に経済的な負担をかけたくないという気持ちがあります。また、都市化が進み土地の確保が難しくなったことに加え、少子高齢化が進行している現代では、お墓の管理や維持が困難になるケースも少なくありません。
さらに、「お墓に入る」という従来の考え方にとらわれず、選択肢が増えたことも影響しています。「必ずしもお墓に入らなくてもよい」という価値観の変化の中で、散骨や樹木葬といった自分らしい供養方法を選べる時代になっているのです。
お墓に入りたくないときに選べる散骨という供養のかたち
自分らしい供養を望む方が増える中、そのニーズに応える選択肢の一つとして「散骨」があります。散骨には、海へ還す「海洋散骨」、自然の中に眠る「山林散骨」、そして空から撒いて供養を行う「空中散骨」など、さまざまな方法があります。それぞれの散骨の特徴を見ていきましょう。
海洋散骨
散骨の中でも最も一般的な方法が「海洋散骨」です。ご遺骨を粉末状にしたあと、船で沖に出て、適切な海域で撒くという方法です。海岸近くや漁場、養殖場などは避け、他人に迷惑をかけないよう十分に配慮された場所で実施されます。
海は陸と違って所有者が明確に定められていないため、散骨できる範囲が広いという点も、海洋散骨が選ばれる大きな理由の一つです。
山林散骨
「山林散骨」は、人里に近い山林や自然に囲まれた場所にご遺骨を撒く方法です。静かな自然の中で眠りたいという想いから選ばれることが増えています。ただし、山林には所有者がいるため、事前に所有者の許可を得る必要があります。
また、自分の所有地で行う場合も、土をかぶせると法律上「埋葬」とみなされるため、ご遺骨を粉骨した上でそのまま撒くのが基本です。
空中散骨
「空中散骨」は、小型飛行機やヘリコプターなどからご遺骨を空へ撒く方法です。最近では、専用のバルーンやドローンを使用して行うケースも増えてきています。空中散骨もほかの散骨と同様、ご遺骨は粉末状にする必要があります。
実施する際は、特定の空域や高度に関するルールを守る必要があり、安全面や法令面への配慮も欠かせません。また、航空機のチャーター費用や専用機材が必要なため、散骨にかかるトータルの費用が高額になる傾向があります。
散骨に必要な手続きと流れ
散骨は墓地への埋葬とは異なり、自由な供養方法として選ばれる一方で、手順やルールを誤るとトラブルの原因になることもあります。ここでは、散骨に必要な手続きや流れについて順を追って解説します。
1.火葬後の供養方法について家族で相談
まずは火葬を行い、その後の供養方法について家族でしっかりと話し合います。散骨は従来のお墓とは異なる供養方法であるため、家族や親族の理解を得て慎重に進めることが大切です。故人様を穏やかに見送るためにも、全員が心から納得できる供養の形を選びましょう。
2.粉骨と散骨業者の選定
散骨を行うには、まずご遺骨を2㎜以下の粉末状にする「粉骨」が必要です。粉骨はご自身で行うことも可能ですが、衛生面や精神的な負担を考えると専門業者に依頼するのが安心です。多くの散骨業者では粉骨を含むプランを提供しているため、希望の散骨方法(海・山など)に応じて、粉骨サービスも併せて相談するとよいでしょう。
散骨に関して明確な法律はありませんが、自治体ごとのルールやマナーを守ることが大切です。また、場所によっては、散骨実施の許可が必要なエリアもあるため、信頼できる専門業者に依頼し、安心して供養を進めていきましょう。
3.必要書類の準備
日本では散骨に関する明確な法律がないため、原則として必要な書類はありません。ただし、ご遺骨が事件性のないものと証明するために、「埋葬許可証」の提示を求められることがあります。これは火葬許可証に火葬証明の印が押されたもので、通常は墓地への埋葬時に使用される書類です。
すでにお墓に埋葬されているご遺骨を散骨する場合には、「改葬許可証」を取得する必要があります。自治体によってはほかの手続きが必要な場合もあるため、事前に確認しておくことが大切です。
4.散骨の実施
散骨は、事前に業者と打ち合わせた日程と場所で行われます。例えば、海洋散骨の場合、指定された沖合の散骨エリアまで船で出航し、現地で粉骨したご遺骨を撒きます。
その際、献酒・献花・黙祷などの儀式を行うことが一般的です。散骨後には、周辺を船でゆっくりと周回し、故人様との最後のお別れの時間を大切に過ごすことができます。
5.散骨証明書の受領
散骨後には、故人様の氏名や散骨場所、日時などが記載された「散骨証明書」を受け取ることができます。この証明書を保管しておくことで、命日や年忌法要などの節目に散骨場所を訪れ、故人様を偲ぶことができます。証明書は故人をしっかりと供養し、その記録を残すための大切な書類となります。
お墓に入りたくないという希望を実現できるシーセレモニーの海洋散骨
近年、「お墓に入りたくない」と考える方が増え、その希望を実現する供養方法として「散骨」が注目を集めています。
シーセレモニーの海洋散骨は、ただご遺骨を海に撒くだけでなく、故人様やご遺族の想いに寄り添った温かいセレモニーを大切にしています。
散骨プランもさまざまで、故人様の遺志やご家族の希望に応じて選ぶことが可能です。例えば、船を一隻丸ごと貸切にして散骨を行う「ファミリー散骨プラン」や、ほかのご家族と一緒に大きな船で行う「合同乗船プラン」などがあります。
オンラインセミナーや説明会も開催しており、海洋散骨に疑問や不明点がある方が気軽に相談できるような体制も整えています。海洋散骨や供養方法に関するご相談はシーセレモニーまでお問い合わせください。