人類誕生から今日まで、故人を弔う葬儀方法はさまざまなものがありました。日本における現在の葬儀方法は、故人様の亡骸を焼却してご遺骨にする「火葬」が大半です。しかし、以前は「水葬」と呼ばれる葬儀方法があったことをご存知でしょうか。
そこで今回は、現在では禁止されている水葬の特徴や、その水葬に代わる形で注目を集めている海洋散骨について詳しく解説をしていきます。
目次
水葬とは
水葬とは、海や川などに故人様のご遺体をそのままの状態で沈める葬儀方法です。四方を海に囲まれた日本では、あまり抵抗感なく水葬が行われていました。
水葬には、大きく2つのタイプがあります。
舟葬(しゅうそう)
舟葬は、亡くなった人を小舟に乗せて海に流す葬儀方法です。
この葬儀方法はインドのガンジス川流域で頻繁に行われていました。舟葬には、船体を棺として海に流す場合と、小舟そのものを亡骸に見立てて海に流す場合の2種類があります。
海葬
海葬は、亡骸をそのままの状態で海や川に流す葬儀方法です。
国や地域によっては、一度土葬したご遺体を再び川や海に流すといったケースも存在します。
世界の水葬事情
水葬は国や地域、宗教観などによって違いが大きく生じる葬儀方法です。現在では、インドのガンジス川流域以外の地域で水葬が行われるケースは稀です。
インドでは、ヒンズー教の儀式の一環として水葬が行われており、ガンジス川の岸辺でご遺体を火葬した後、そのご遺灰を川へと流します。ガンジス川はヒンズー教徒にとって最も神聖な川であり、故人の魂が天国へと導かれると信じられています。
また、アメリカでは新しい水葬の形としてご遺体を液状処理する「アルカリ加水分解葬」が徐々に広まりつつあります。ご遺体をアルカリ液に浸して、数時間かけて液状化する葬儀方法です。
現在の日本での水葬
かつての日本では、「海の先に死者の国がある」という考え方があったため、水葬が行われていました。その名残として「精霊流し」や「灯籠流し」があります。
しかし、現在の日本において水葬は違法行為です。海や川にご遺体を流すのは死体遺棄罪という罪に問われます。
例外として航海中の船内で死亡し、衛生的観点から船内にご遺体を保管できない場合には水葬が認められますが、この場合も法律で定められた厳しい条件があります。
近年注目を集める海洋散骨
ご遺体をそのまま海に流す水葬は違法となりますが、近年注目を集めている海洋散骨は違法ではなく、どなたでも行える供養方法です。
ご遺骨を粉末化して撒く
水葬が違法なのは、ご遺体をそのままの状態で海に流すからです。
それに対して海洋散骨では、ご遺骨を元の形が分からない状態まで粉骨します。そのため、罪に問われたり、海洋の環境を破壊したりする心配がありません。
専門業者に依頼できる
海洋には所有者がいないため、希望する方は、ご自身で海洋散骨を行うことも可能です。
しかし、実際には散骨禁止エリアを設けている自治体もあります。また、海水浴場や漁港近辺では散骨を控えるのがマナーです。場所選びから散骨までをスムーズに行いたい方は、海洋散骨専門業者に依頼してはいかがでしょうか。
シーセレモニーの粉骨サービス
海洋散骨を行う際は、必ず粉骨を行わなければなりません。散骨同様、粉骨も自分で行うことは可能です。しかし、労力がかかるうえ、精神的な負担を感じる可能性もあるため、専門業者に依頼するのが望ましいでしょう。
シーセレモニーでは、海洋散骨プランと併用ができる粉骨サービスを取り扱っています。
真心込めた粉骨作業
シーセレモニーの粉骨サービスでは、専門機器と手作業の両方を用いてお預かりしたご遺骨の粉骨作業を行います。使用後は機器を細かく分解し、しっかり洗浄を行うので、ほかの方のご遺骨と混じることはありません。
海洋散骨に適したサービス
粉骨したご遺骨を海洋散骨で利用しやすいように水溶性の小袋にご遺骨を分けて封入いたします。シーセレモニーの海洋散骨プランをご利用の場合には、当日に個包装されたご遺骨をお持ちいたします。
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粉骨について
「死後は自然に還りたい」という願いのある方や、故人様の希望をかなえたいという方は、ぜひシーセレモニーの海洋散骨プランや粉骨サービスをご検討ください。