時代の流れや日本人の宗教観の変化などにより、これまで管理していた先祖代々のお墓の移動を検討している方が増えているようです。しかし、実際にお墓の移動を経験することは少ないため、何から手をつければいいのか分からないという方も多いでしょう。
そこで今回は、お墓を移動する際に必要な費用や具体的な手続きの流れなどを詳しく解説していきます。また、お墓の移動以外に最近注目を集めている「散骨」という新しい供養方法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
お墓の移動が近年増えている理由
現在の日本において、お墓の移動が増えているのには理由があります。
理由1:生活圏内に移動させたい
就職や結婚などが理由で、元のお墓の場所と離れて暮らすことになると、必然的にお墓参りに行く回数も減ってしまいます。そして、遠方にあるというだけで労力だけではなく、交通費の出費もかさみます。
それらの負担を軽減するために、お墓を今の生活圏内に移動させたという方が多いようです。
理由2:家族や子孫に迷惑を掛けたくない
「現在は自分たちがお墓の管理を行っているけれど、将来的に管理を子孫に任せて負担を掛けたくない」と考える方も多くいます。
そのような場合、お墓の規模を小さくして子孫が管理しやすい場所に移動させたり、お墓そのものを墓じまいして、別の供養方法を選択したりするようです。
お墓を移動する際の手続きと流れ
この項目では、実際にどういった流れでお墓を移動させるのかを紹介していきます。
1.お墓に関わる親族にお墓の移動を相談し、その後の移動先も決めておく
自分の一存だけでお墓の移動を決定せず、できるだけ多くの親族にお墓を移動することを相談し、承諾を得ておきます。
その後、スムーズにお墓の移動が行えるように、お墓の移動先を決めておきます。
2.改葬元の霊園や寺院に報告する
実際に手続きを行う前に、霊園や寺院にお墓の移動をすることを報告します。この時点でお墓の移動先が決まっていれば、改葬先の管理者に「受入証明書」を発行してもいます。
3.改葬元の自治体から、改葬許可申請書を受け取る
改葬許可申請書に必要事項を記入した後、改葬元の管理者の署名捺印、さらに「埋葬・埋蔵証明書」を発行してもらいます。
4.必要な書類全てを自治体に提出する
自治体によって提出する書類は異なりますが、一般的には「改葬許可申請書」「埋葬・埋蔵証明書」「受入証明書」が必要です。これらを不備なく提出することで、「改葬許可証」が発行されます。
5.改葬許可証を改葬元に提出し、墓じまいを行う
この時点で、現在のお墓からご遺骨を取り出すことが可能になります。手続きではありませんが、ご遺骨を取り出す際には儀式として閉眼供養を行うのが一般的です。
6.移動したお墓に納骨する
移動先のお墓でも同様に、改葬許可証を提出した後、ご遺骨を納骨して終了です。
お墓の移動にかかる費用相場
お墓の移動にかかる費用の相場は、一般的に以下のようになっています。
項目 | 相場 |
必要書類発行料 | 数百円〜数千円 |
改葬元の墓石解体・撤去料 | 1平方メートルあたり10万~50万円 |
閉眼供養料 | 3~10万円 |
改葬先の墓石建立費 | 120万~150万 |
開眼供養料 | 3~10万 |
お墓のある場所や僧侶との付き合いの長さなどによって費用も変わるため、注意が必要です。
ご遺骨を散骨するという選択肢
お墓の移動先として、新たな墓石を建立するのではなく、「お墓を持たない供養」を行うなら海や山にご遺骨を撒く散骨という方法があります。死後は自然に還りたいと願う方が増えたことにより、散骨に興味を持つ方も多くなりました。
散骨は、お墓の管理する負担や維持費が大幅に削減できるのもメリットの一つです。
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