近年では核家族化や少子高齢化が進んだことから、お墓を持たない供養方法として、散骨を選択する方が増えています。
散骨はご遺骨を撒く場所によって名称が変わります。そして、近年利用者が増えつつあるのが、ご遺骨を宇宙に撒いて供養する宇宙葬です。
まだ世間一般に広く周知されていない供養方法のため、基本的な知識や方法を知らない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、宇宙葬のメリットや費用相場について詳しく紹介をしていきます。
宇宙葬とは
宇宙葬とは、粉末状になるまで砕いたご遺骨やご遺灰を宇宙へと向けて散骨する供養方法です。
ご遺骨をお墓に納骨する供養方法と異なり、自然の循環の中に還す自然葬の一種ともいわれています。初めて宇宙葬が行われたのが1997年のアメリカで、それから二十数年が経過した現在、宇宙葬を選択する方が増えています。
宇宙への散骨の仕方にも種類があります。最も多いのはご遺骨やご遺灰が入れられた専用カプセルをロケットに搭載して打ち上げる方法です。打ち上げ先は外気圏や月面のなどがあります。ほかにも、巨大なバルーンの中にご遺骨やご遺灰を入れて、空に向かって飛ばす方法もあるようです。
宇宙葬のメリット
宇宙葬を行うメリットとしては、以下のような理由が挙げられます。
ロマンが感じられる
さまざまな散骨方法の中でも宇宙葬はロマンや夢のある埋葬方法です。生前に「宇宙に行きたい」と思っていても、達成することは容易ではありません。
その想いを死後に叶えられるのは、故人にとって最大のメリットではないでしょうか。また、残されたご遺族も、自分たちがどこにいたとしても空を見上げるだけで故人を感じられます。
子孫に迷惑を掛けない
お墓に納骨をする場合、半永久的に渡って子孫がお墓の管理維持をしなければなりませんが、核家族化が進む現代では、残されたご遺族に掛かる負担も大きくなります。
ご遺骨の一部を宇宙に、残りは手元供養をする方法にする場合、お墓の管理維持をする必要がなくなります。
経済的な負担も軽減
お墓を購入する場合、100万円以上掛かることも珍しくありません。
さらに、購入費とは別に毎年の管理料も必要となります。宇宙葬の場合は、そういった費用が掛からないため、ご遺族の経済的な負担も減ります。
宇宙葬の費用相場
宇宙葬の相場は、平均で30万円といわれています。散骨する場所や方法によって価格が異なり、成層圏までバルーンを飛ばす宇宙葬の場合、20万円前後と比較的価格を抑えることが可能です。
しかし、海外でロケットに搭載したカプセルを月面まで運ぶ場合は、100〜200万円と高額になります。
宇宙葬以外の散骨方法
宇宙葬以外にも、散骨をする方法がいくつかあります。最も代表的なのが海にご遺骨を撒く海洋散骨です。
宇宙葬よりも取り扱っている専門業者が多く、希望する海域に散骨をすることも可能です。ほかには、山や森に散骨する里山散骨も有名です。
しかし、海とは違って山林には必ず所有者がいるため、許可を得ずに好きな場所に撒くことはできません。このように、「死後は自然に還りたい」という願望がある方は、宇宙葬や海洋散骨を検討してみてはいかがでしょうか。