現代の日本において、葬儀告別式の後はご遺体を火葬場へ運び入れ、火葬をするという流れがほとんどです。そして、社会人になって葬儀に参列する機会は増えても、主に親族だけが参列する火葬場に同行するケースは少なく、火葬後の流れがよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、火葬後の流れや、火葬後に残ったご遺骨の供養の仕方について紹介をしていきます。特に、ご遺骨の供養の仕方はさまざまなので、ご遺族のライフスタイルに合った方法を探してみてください。
火葬後のご遺骨はどうなる?
火葬場では、以下のような流れを経て一連の葬儀が終了します。
1:火葬
火葬の直前、火葬炉の前にある棺を親族で取り囲み、僧侶による読経と故人様との最後のお別れをします。火葬には1~2時間程掛かるため、ご遺族様は火葬場にある待機室で過ごします。
2:骨上げ
火葬後に残ったご遺骨を、骨壷に納める儀式を骨上げといいます。
骨上げでは、2人1組で竹箸を使い、ご遺骨を拾い上げて骨壷に納めていきます。地域によって違いがありますが、基本的には足元から頭にかけて骨を拾っていきます。最後に、故人様と最も縁の深かった方が、喉仏の骨を骨壷の上に納めます。
3:初七日法要を繰り上げる場合も
骨上げの儀式が終わると火葬場から出て、一連の葬儀が終了です。
しかし、近年では火葬場から葬儀会場に戻って、初七日法要を繰り上げて行うことも増えています。
ご遺骨を自宅で保管する場合
これまでは四十九日法要を終えると、お墓に骨壷を納骨するという流れが一般的でした。
しかし、納骨をする時期というのは、明確に決まっているわけではなく、ご遺族様の都合の良いタイミングで納骨を行って問題ありません。
ご自宅でご遺骨を保管する場合は、仏間や仏壇をお持ちなら、そのスペースに保管をします。もし、お持ちでない場合、後飾り祭壇を解体せずにそのまま利用します。
散骨や手元供養という方法
火葬後のご遺骨の供養方法ですが、最近ではお墓を持たない供養方法が注目を集めています。そのなかで代表的な方法を紹介します。
散骨
散骨とは、ご遺骨を元の形が分からなくなるまで粉末状に砕き、海や山林に撒く供養方法です。
「死後は自然に還りたい」といった故人様の希望を汲み取って行われる場合も多くあります。ご遺骨を納める墓石や墓地を購入や管理する必要がないため、金銭的な負担を抑えられるというメリットもあります。
手元供養
ご遺骨を納骨せずに、そのままご自宅で保管し続けるのが手元供養です。
散骨をした後に残ったご遺骨や、他のご親族と分骨したご遺骨を手元供養することも可能です。手元供養は、故人を身近に感じられるというメリットがあります。また、外出先でも一緒にいられるように、ご遺骨を加工してアクセサリーにする方もいらっしゃいます。
それぞれのご家庭によって、最良となる供養方法は変わってきます。したがって、ご自身のライフスタイルや故人様の希望に沿った供養方法を選ぶことが大切になるといえます。