自然豊かな美しい海、駿河湾。その駿河湾で静かに大切な方を見送る「散骨」を考える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、駿河湾で散骨を行うことができるかどうかに加え、その魅力や費用相場、自分で散骨を行う際のポイントについて詳しくご紹介します。
駿河湾で散骨をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
駿河湾で散骨はできる?
駿河湾で散骨を行うことは可能です。
散骨については、法務省が1991年に「葬送のための祭祀として節度をもって行われる限り、遺骨遺棄罪(刑法190条)に違反しない」との見解を示しています。
また、厚生労働省もガイドラインで「墓地埋葬法の対象外」としており、社会的常識の範囲内であれば違法とはされていません。
ただし、どこでも自由に行えるわけではなく、実施には十分な配慮が必要です。漁場・養殖場・観光地・生活圏などを避けて、陸地から十分に離れた沖合で行うことが望まれます。風評被害や周囲の人々の感情に配慮し、「節度ある行い」として実施することが大切です。
また、自治体によっては独自に散骨に関する条例を定めている場合もあるため、事前に管轄の自治体へ確認しておくと安心です。適切な場所選びや手続きに不安がある場合は、専門業者に依頼するのもひとつの方法といえます。
関連記事:海へ散骨するには?知っておくべき散骨時の注意点や散骨の流れ・価格相場について
駿河湾で散骨する魅力
駿河湾は自然豊かで、美しい風景に恵まれた海域です。
ここでは、散骨の場として駿河湾が選ばれる3つの主な魅力をご紹介します。
富士山に見守られる唯一無二のロケーション
駿河湾での散骨の最大の魅力は、富士山に見守られる唯一無二のロケーションです。
船上から眺める富士山は遮るものがなく、その雄大な姿はまさに圧巻。日本一の山に見守られながら、大切な故人を送り出せるのは駿河湾ならではの特別な体験です。
富士山は季節ごとに表情を変え、春の霞、夏の青空、冬の雪化粧と、いつ訪れても心を打つ美しさを放ちます。そんな自然のなかで行う散骨は、ご遺族にとっても心安らぐ時間となるはずです。
穏やかで豊かな海
駿河湾は外洋に比べて波が静かな日が多く、船に不慣れな方や高齢の方でも比較的安心して参加しやすい環境が整っています。
また、日本で最も深い湾として知られ、黒潮の影響を受けて桜えびやシラスなど多様な海の恵みを育んでいます。
こうした穏やかな海と豊かな自然に包まれながら故人をお見送りする時間は、ご遺族にとっても心に残る静かなひとときとなるでしょう。
首都圏からのアクセスの良さ
駿河湾は、首都圏をはじめ、各方面からアクセスしやすい立地であることも魅力のひとつです。
東海道新幹線や東名・新東名高速道路が整備されており、東京・名古屋方面からもスムーズに移動できます。
遠方にお住まいのご遺族でも日帰りで無理なく参加できるため、ご遺族がそろって故人を見送る機会を持ちやすい環境といえます。
駿河湾での散骨は自分でできる?
駿河湾での散骨は、自分で行うことも可能です。ただし、法令やマナーをしっかり守る必要があります。
まず、ご遺骨は2㎜以下の粉末状に粉骨しなければなりません。原型のまま撒いてしまうと「死体遺棄」にあたる可能性があるため、十分に注意が必要です。
また、港や漁場、海水浴場など人々の生活圏に近い場所を避け、十分に距離をとった沖合で節度をもって行うことが求められます。散骨時には自然に還るものだけを使用し、ビニールなどの人工物は撒かないよう心がけましょう。
個人で散骨を行う場合は、船の手配や操縦に加え、天候や海の状況を判断する必要があり、想像以上に手間や負担を感じることもあります。
不安がある場合は、クルージングによる海洋散骨ができる専門業者のプランを利用するのも安心できる選択肢のひとつです。
関連記事:散骨は個人でできる?流れや費用相場を解説
いくらかかる?海洋散骨の費用相場
海洋散骨の費用は、どのような方法で行うかといった「散骨プラン」によって大きく異なります。主なプランとその相場は以下のとおりです。
▼散骨プランと相場価格
散骨プラン | 相場価格 |
個別散骨 | 20~50万円 |
合同散骨 | 20~30万円 |
代理散骨 | 5〜10万円 |
ご遺族だけで行う「個別散骨」は、費用は高めですがプライベートで丁寧なお見送りが魅力です。
一方、他のご遺族と同乗する「合同散骨」は費用を抑えながらも、しっかりと供養を行うことが可能です。船に乗らずに専門業者に散骨を委託する「代理散骨」は、さらにお手軽な方法といえます。
ただし、粉骨の有無や、当日の散骨の際に行う献花・献酒がプランに含まれているかは業者によって異なります。後悔のない散骨を行うためにも、事前にプラン内容をよく確認しておくことが大切です。
海洋散骨の流れと必要な準備
海洋散骨を行う際には、事前準備が必要です。
ここでは、準備から当日の流れ、散骨後の対応について紹介します。
事前準備
海洋散骨を円滑に進めるためには、事前の準備が欠かせません。
◆信頼できる散骨業者の選定
実績のある散骨業者を探し、サービス内容や費用を比較検討するのが望ましいです。
◆必要書類の準備
散骨には、火葬許可証のコピーといった書類が必要になります。業者によって必要書類が異なる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。
◆親族間の同意
後々のトラブルを避けるためにも、事前にご家族・ご親族の同意を得ておきましょう。
◆粉骨の実施
ご遺骨は、2㎜以下の粉末状にする「粉骨」を行う必要があります。
散骨当日の流れ
当日は以下のような流れで進行します。
- 集合・乗船:指定の乗船場所に集合し、出航の準備を整えます。
- 沖合へ移動:十分に陸地から離れた散骨ポイントまで船で向かいます。
- 散骨の実施:粉骨されたご遺骨を海へ還し、故人とのお別れの時間を持ちます。
- 献花・献酒・黙祷:花を手向け、お酒を供え、黙祷を捧げます。
- 周回航行:散骨ポイントの周辺をゆっくりと周回し、最後のお別れの時間を過ごします。
散骨後
散骨が終わった後も、心を込めた供養を続けるための方法があります。
◆散骨証明書の受領
業者から発行される「散骨証明書」は、大切に保管しておきましょう。日付や場所、方角などが記載されており、後日の供養にも役立ちます。
◆年忌法要
命日や法要の際に、散骨を行った海域を再び訪れる「年忌法要クルーズ」を行うことも可能です。
◆手元供養の選択
ご遺骨の一部を自宅に保管する「手元供養」という方法もあります。身近に故人を感じながら、日々を過ごすことができる供養のかたちです。
駿河湾の絶景を眺めながら故人を送り出そう
駿河湾の雄大な景色に包まれながら、大切な方を静かに見送る散骨は、心温まる供養のひとつです。美しく豊かな自然に囲まれたこの海域は、故人の旅立ちの場としてふさわしい環境といえます。
散骨は節度ある対応が求められるため、不安がある場合は専門業者に依頼するのがおすすめです。
シーセレモニーでは、粉骨・乗船料・献花・献酒・散骨証明書の発行まで含む散骨プランをご提供しています。自社所有のクルーザーを使用しているため、お客様のご希望に沿ったオーダーメイドプランのご提案も可能です。
散骨や供養に関するご相談は、シーセレモニーへお気軽にお問い合わせください。