海洋散骨について調べてみると、「粉骨」という文字をよく見るのではないでしょうか。「ご遺骨を粉にするとはどのようなことだろう?」と不思議に思った方も少なくないかもしれません。
たしかに、故人様やご先祖様をお墓で供養する場合にはご遺骨を粉骨することはありません。しかし、海洋散骨を行う上では、どなたにとっても粉骨をするという行程は欠かせないものです。
散骨をするために必要な粉骨とはどのようなものなのか、を知らない方のために、なぜ必要なのか、また気になる粉骨費用がどのくらいかかるかについてご紹介します。
目次
粉骨とは、ご遺骨を粉末状にすること
粉骨とは、ご遺骨を粉末(パウダー)状にし、骨壺などに保管することを指します。海洋散骨においては節度をもって執り行う必要があり、その節度をもつためのひとつの方法としてご遺骨を粉骨する必要があります。
散骨を目的とした粉骨は、0.2mm以下の粒度が適しています。日本では粒度に関する法的なルールはありませんが、欧米諸国では上述の粒度を守ることがルールとされています。
粉骨はご自身で行うことも可能ですが、粉骨はただご遺骨を0.2mm以下の大きさにするだけではなく、実は洗浄や乾燥などの必要もあり工程が多いものです。ご遺族様に体力的・心理的な負担がかかる可能性も考えられるため、現在では、海洋散骨や粉骨を専門に取り扱う企業に依頼する方法が一般的です。
海洋散骨を行う際に粉骨が必要な理由
海洋散骨で粉骨をしなければならない理由に以下があります。
- 細かいパウダー状のご遺骨はより早く自然に還り、外洋へ流れていきやすい
- 人の目に触れた場合でも一見してご遺骨とわからないようにするため
これらは故人様とご遺族様だけのためでなく、周辺に住んでいる方々、周囲の環境への配慮のためでもあります。また、粉骨するとご遺骨の容積が少なくなり保管がより簡単になるため、供養方法の選択肢が広がるというメリットもあります。
たとえば、分骨をして一部を散骨し、残りはお墓に納めるという方法を選び、手元供養として小さな骨壺や身に着けるソウルジュエリーの中に入れておくことも可能になります。
粉骨は法律的に問題ない?
「ご遺骨を砕く」ということから「粉骨は違法なのでは?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
実際には、散骨や粉骨に関する明確な法律はなく、総務省から「節度をもって葬祭のひとつとして行われる限り違法ではない」との見解が示されています。
その節度をもつためのひとつとして、ご遺骨とわからないように粉骨する必要があります。散骨を目的として行われる粉骨に違法性はないので、粉骨を専門企業に任せることも可能です。
粉骨にはどのくらいの費用がかかる?
企業に依頼する場合の費用は骨壺の大きさ、ご遺骨を郵送するか持ち込みするかなどによって異なります。企業によって10,000~40,000円前後と価格差はあるようです。依頼する際は、散骨目的のためと伝えるとスムーズに進むでしょう。
ご自身で粉骨を検討する場合は、ご自宅にある道具を使うのもひとつの手段ですが労力が必要です。そのため、ご自宅で粉骨する際には粉骨する機械をレンタルすることが一般的とされています。1週間のレンタルで20,000円前後が相場です。
ご遺骨の状態によっても費用が異なる
お墓に納骨されていたご遺骨や長期間湿り気のある場所で保管されていたご遺骨は、粉骨を行う前に洗浄・乾燥が必要になる場合があります。洗浄・乾燥を行う際はほとんどの場合が別途料金となります。
また、企業によってはご遺骨を水溶性の袋に小分けする、長期期間のための箱に入れるなどのサービスが別料金で用意されている場合もあります。
シーセレモニーでも粉骨が可能、粉骨サービスについて
シーセレモニーでは33,000円(税込)から粉骨をお受けしています。費用のなかには、手元供養品への納骨や水溶性紙袋をご乗船予定のご人数に合わせて包装するサービスが含まれています。
ご遺骨の洗浄・乾燥の必要がある場合は16,500円(税込)の追加費用がかかりますので、お引き取りの際にご遺骨の状態を確認させていただきます。
ご遺骨はお打ち合わせの際にお持ち込みいただくことが多いですが、東京23区内でしたら出張料16,500円(税込)にてスタッフがご遺骨をお引取りに伺わせていただきます。遠方の場合はゆうパックの利用が可能です。遠方への出張お引取りを希望される場合は、スタッフにご相談ください。
シーセレモニーで故人様の新たな旅立ちのご支度を
粉骨は海洋散骨で自然へと還る故人様の最後のご支度です。シーセレモニーでは、故人様はもちろん、ご遺族様にとっても海洋散骨が忘れられない思い出になるよう、その最後のご支度を真心込めて丁寧に行います。
また、シーセレモニーでは、節目ごとに故人様をしのぶ機会をご希望の方に向けて年忌法要クルーズをご用意しています。
故人様の供養は、散骨を行なってからもずっと続いていきます。思い出の海域を、普段はなかなか会えない親族やご友人の皆さんで訪れ、故人様の思い出話に花を咲かせることも貴重な供養のひとつになるのではないでしょうか。海洋散骨や粉骨に関しての些細な疑問や不安がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。