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海洋散骨のトラブル事例と回避するポイント

2024.08.07
海洋散骨
夕焼け色に染まる海と船

大切な人の遺骨を供養するには、お墓に埋葬するしかないと考えている方も多いのではないでしょうか。日本では伝統的に、子孫が先祖の墓を守り続けることで供養してきました。

しかし、時代の変化とともに供養方法の幅が広がっています。例えば、海や山への散骨も近年注目されている方法です。海洋散骨は、事前の準備をしなければトラブルに発展し、後悔する可能性もあるため注意しなければなりません。

今回は、海洋散骨をする方が増えている理由と、トラブルなく散骨をする方法について解説します。

近年注目されている海洋散骨

青い空と海に浮かぶ船

海洋散骨が注目されている理由の一つは、費用が安く抑えられることです。

従来は霊園へ埋葬することが一般的でしたが、墓地を買う費用や墓石の設置、管理費用に高額な費用がかかります。一方、海洋散骨は墓地の購入や設置、管理が不要で、金銭的な負担が大幅に軽減されます。

費用相場は、海洋散骨を行う業者によって異なりますが、おおむね10〜30万円です。費用の内訳は、船の手配、散骨式の準備費用、散骨費用などが含まれます。

また、少子化が進む現代では、夫婦のみの世帯や単身世帯が増え、墓地の管理やメンテナンスをする方がいないことも珍しくありません。海洋散骨は、墓地の管理者の有無に関係なく利用できます。

遺族が墓地を管理しなくてもよく、手続きをすべて専門業者に任せられるため、後継者不在によるトラブルもなく故人の供養ができます。「将来、家族や子どもたちに負担がかからないようにしたい」という点でも、海洋散骨が多くの方に選ばれている理由といえるでしょう。

海洋散骨のよくあるトラブル事例

夕方の砂浜に佇む女性

親族に無断で海洋散骨をすると、トラブルに巻き込まれる可能性が高いです。特に代々受け継がれてきたお墓がある家庭では、海洋散骨だけではなく墓じまいに関するトラブルが起こることもあります。墓じまいは自分の世代だけの問題ではないため、親族の意見を聞きながら行いましょう。

ここでは、海洋散骨で起こりうるさまざまなトラブルについて紹介します。

散骨への反対

故人が海洋散骨を望んでいたとしても、考え方が異なる親族から反対されることがあります。とくに先祖代々続くお墓がある場合、「なぜお墓に入らないのか」「散骨では故人が安らかに眠れないのではないか」といった疑問や不安を持たれてしまうことも少なくありません。

また、「お墓に埋葬しないと、今後のお墓参りの方法がわからない」という理由から、海洋散骨を拒否される方もいます。

散骨に反対する理由は人それぞれです。一人ひとりに納得がいくまで説明する必要があります。意見を聞くこともなく勝手に海洋散骨を行ってしまうと、親族間で大きなトラブルに発展したり、人間関係に亀裂が入ったりする恐れもあるため注意しましょう。

ルールやマナーを守らない業者がいる

海洋散骨を行うにあたって、直接制限する法律や規則はなく、「葬送を目的とし節度を持って行う限り問題はない」とされています。しかし、ルールやマナーは守らなければなりません。

海洋散骨を適切に行うためには、ルールやマナーをきちんと理解している必要があります。

以下は、海上散骨における一般的なルールやマナーです。

  • 遺骨は細かく砕く
  • 海において分解しない素材のものは撒かない
  • 散骨や儀式は許可を得た場所で行う

 

知識の浅い業者に依頼をすると、ルールやマナーを知らずトラブルになったり、故人を悼む気持ちに傷つけられたりすることがあります。

悪質な業者に注意

海洋散骨が注目されていますが、はやりに乗ろうとする不誠実な業者には要注意です。悪質な業者に関わると、以下のような損害を被る可能性があります。

  • 料金を支払った後に連絡が取れなくなった
  • 苦情をまともに取り合ってもらえなかった、あるいは脅された
  • 大切な遺骨を他人の敷地に勝手に埋められた

 

トラブルや事件に巻き込まれないよう、業者の実績や実態はよく確認しましょう。

海洋散骨のトラブルを避ける方法

心を込めて故人を見送る海洋散骨で、トラブルは避けたいものです。しかし、海洋散骨業者のなかには、無登録で法律を守らない悪質な業者も存在します。

ここでは、さまざまなトラブルを回避する方法をご紹介します。親族間のトラブル、業者とのトラブルを避ける方法をチェックしておきましょう

親族で話し合いをする

親族としっかりと話し合い、海洋散骨を希望していることについて理解を得ましょう。近年、海洋散骨を希望される方が増えているのは事実です。しかし、海洋散骨を好まない方や、詳しい埋葬方法がわからない方も多くいます。家族のお墓に埋葬することにこだわる方も少なくありません。

後々のトラブルを避けるためにも、海洋散骨を希望する故人と遺族の理由や背景を明確に伝えることが大切です。

すべての遺骨を散骨せずに一部残す

「故人の存在を感じるために、遺灰の一部を自宅に残しておきたい」という方もいます。海に撒いた遺骨は、当然回収できません。すべての遺骨を散骨する前に、家族や親族の気持ちを確認しておきましょう。

また、散骨する遺骨の量に決まりはないため、遺骨の一部だけを海洋散骨して、残りを手元供養することが可能です。最近では、ミニ仏壇やアクセサリータイプの手元供養品もあります。

例えば、遺族のなかに散骨に対して前向きではない方がいる場合、手元供養品を提案し、説得する方法が有効です。

「散骨のガイドライン」に従う

現段階で海洋散骨に関する法律は存在しません。しかし、厚生労働省が定めた「散骨ガイドライン」のほか、日本海洋散骨協会の「日本海洋散骨協会ガイドライン」に基づき、慎重な判断のもと散骨を行う必要があります。

以下は、ガイドラインの内容の一部です。

  • 近隣住民への配慮と平服の着用
  • お墓の遺品は自然に還るもののみ
  • 環境に悪影響を与えないよう配慮する
  • 遺骨を1~2mm程度に砕く
  • 散骨が禁止されている場所には散骨しない

 

上記を守っている業者に依頼をするのが、トラブルを防ぐポイントです。

実績がある業者を選ぶ

ガイドラインを守らなかったり、正しい方法で粉骨や散骨をしていない場合は悪質な業者と考えて良いでしょう。

悪質な業者とのトラブルを避けるためにも、費用やサービス内容、実績などを十分に調べ、海洋散骨の実績がある業者を選ぶことをおすすめします。

例えば、遺骨を細かく砕かなかった場合、大きなサイズの遺骨が発見された際に死体遺棄事件として問題になる可能性があります。また、散骨を行う場所の周辺に住居やお店がある場合、周囲の方々への配慮が必須です。散骨の許可を得た場所で行わなければ、周辺住民とのトラブルになるでしょう。

散骨を専門に行う協会や団体に加盟している業者であれば、悪質な業者の可能性は低いです。多くの協会や団体では、厚生労働省や加盟会社が独自に策定したガイドラインを遵守しています。

シーセレモニーでトラブルのない海洋記念葬

都会の街と海の風景

シーセレモニーは、東京湾で約70隻の船舶を持ち、年間1500回以上の海洋記念葬を行っています。ガイドラインに沿って海洋散骨をしており、心に残る海洋散骨を行うことができます。

安心・安全な海洋散骨は、シーセレモニーへご相談ください。


監修者 | 島田 快

散骨ディレクター・終活カウンセラーを務めております島田です。皆さまからいただきました疑問の声にお応えしながら、少しでも海洋散骨のご不安を和らげるお手伝いを出来ればと思っています。海洋散骨に限らず、終活や墓じまいに関してのお悩みなどもお気軽にお寄せください。

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