精進落としとは？ 故人様の供養に必要な基礎知識

精進落としの意味や目的、元々はどのような方法で行われていたのか、についてみなさまはご存知でしょうか。

今回は精進落としの由来や実際に行う際の流れ、マナーなど供養の際の基礎知識について紹介します。故人様の供養とともに、参列者をねぎらうためにも、精進落としとはどのようなものであるかについて理解していきましょう。

精進落としとは

精進落としとは、葬儀や火葬後にご遺族で行われる会食のことを指します。

かつては仏教の思想から、四十九日の期間ご遺族は肉や魚を断った精進料理を食べるのが一般的でした。これには故人様が亡くなってから四十九日目に浄土へ行けるようにという意味合いが込められています。

そして四十九日の法要を終えた忌明けに肉や魚も入った通常の食事に戻す、弔いの区切りとされていたのが「精進落とし」です。

精進落としの目的

精進落としには、葬儀の参列者へ感謝を伝える目的があります。そのため、精進落としは、親族の他に読経をお願いした僧侶、故人様の職場の人や友人を招いて行うのが一般的です。

ただし、遠方から来る方が多い葬儀では、後日またみなさまで集まるのが困難な場合もあるでしょう。そういった遠方の方への配慮として、火葬中や火葬後、繰り上げ初七日の法要の際に行うなど、精進落としを行うタイミングも変化しています。

時代の流れとともに、精進落としはかつての仏教的な形式ばったやり方は少なくなってきました。参列者へ感謝を伝え、故人様を偲びながら酒食をふるまう宴席として行われています。

精進落としの流れ

精進落としには一般的な流れがあります。流れを理解し故人を偲びながら、参加者に失礼なくねぎらう会にしましょう。

1.食事前の挨拶

喪主や親族の代表者が、挨拶に加え、葬儀を滞りなく終えられたことや参列への感謝を述べます。このときに、故人様の人柄が伝わるようなエピソードを、挨拶の中に少し入れてもいいでしょう。

2.献杯

喪主やそのほかの親しい方に、故人様との思い出を1分程度で話してもらい、最後に献杯します。「献杯」は、「乾杯」のときのようにグラス同士を打ち合わせないように注意が必要です。

3.会食

食事をしながら故人様との思い出を語り合い、偲ぶ時間です。僧侶や遺族以外の参加者には、お礼を兼ねてお酌にまわりましょう。

4.締めの挨拶

1〜２時間程度経過し食事を終えたころ、終了の挨拶をします。参列のお礼や今後のお付き合いのお願いに加え、以降の法要予定が決まっていたらここで知らせましょう。

精進落としで用意する食事

精進落としでは、宴席のメインとなる食事にどういったものを選ぶべきであるのかを知り、適切な食事をふるまうことが大切です。

食事内容は仕出し弁当や寿司、懐石料理などから選ぶのが一般的。基本的に食材は自由ですが、旬の食材やみなさんが食べやすい煮物などを盛り込むのがおすすめです。また、お祝いやハレの日を連想させる、伊勢海老や鯛などは避けます。

近年では、中華やレストランのような料理を選択することもめずらしくありませんが、内容にかかわらず参加者一人ひとりにお膳で準備するケースが多いようです。

飲み物はビールやお酒、ジュースやお茶、というように、参加者が好みのものを選べるように数種類用意しておきます。

精進落としの挨拶例

精進落としの挨拶では感謝の気持ちを表すことが大切です。挨拶文の例を見ていきましょう。

食事前の挨拶例

「本日は（故人の名）のためにご多忙の中、ご参列いただき深く感謝いたします。皆様のおかげをもちまして、無事に葬儀を終えることができました。

故人も皆様に囲まれ、きっと喜んでいることと思います。これからは私たち遺族一同、故人を偲ぶ気持ちを心に持ちながら、前に進んでいきたいと思っております。

本日は故人を偲び、ささやかながらお食事をご用意いたしました。どうぞごゆっくりお召し上がりください。今後ともご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。」

締めの挨拶例

「本日は（故人の名）のために、長時間お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。皆様の温かいお心に支えられ、無事に葬儀およびこの席を終えることができましたこと、深く御礼申し上げます。

これからは、故人の遺志を引き継ぎながら、私たち遺族も前を向いて歩んでまいります。どうか今後とも変わらぬご厚情をいただけますようお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。」

精進落としのマナー

精進落としには、知っておきたいマナーがあります。

1.座席の指定

まず、座席は僧侶が最も上座、続いて友人・知人、下座に親族となるように指定します。参加者がスムーズに着席できるよう、ご遺族が席への名札設置や席次表を作成します。

2.所要時間

次に、所要時間は1〜２時間程度を目安にします。お酌まわりの際は時間をかけすぎないよう注意が必要です。

3.目的を忘れずに

精進落としの会食は、故人様を偲び、和やかな時間を過ごすことが目的です。大声を出したりお酒を飲みすぎたりして、ほかの参加者に迷惑をかけたりしないようにしましょう。故人様に関する話は明るい話題にし、悲しみを思い起こさせない配慮も必要です。

４.お布施を渡す

僧侶に読経をお願いし、精進落としにも参加いただいた場合は終了後にお布施とお車代を渡します。精進落としへの参加を断られた場合は、食事の代わりとして御膳料を包んで渡すと良いでしょう。

シーセレモニーの精進落としプラン

海洋散骨を検討している方は、精進落としも海上で行ってみてはいかがでしょうか。シーセレモニーでは、貸切クルーザーでの散骨と食事がセットになった「精進落としプラン」をご用意しています。

開放的な空間で食事をしながら、故人様との思い出話に花を咲かせれば、参加者みなさんにとっても忘れられない記念日になること間違いなしです。

精進落としプランではオプションで僧侶の乗船や故人様の思い出映像制作なども行うことができます。ご遺族のご希望をお伺いし、コンシェルジュが最適なプランをご提案させていただきます。

クルージングでの精進落としで、より一層特別な日にしましょう。ぜひシーセレモニーへ、お気軽にご相談ください。