毎年訪れるお盆やお彼岸。多くの方が当たり前のようにお墓参りをしますが、その意味を理解している方は少ないかもしれません。
お墓参りは単なる習慣ではなく、大切な意味を持つ行事です。故人を偲ぶだけでなく、家族の歴史をつなぎ未来へと伝える役割も担っています。
特に子どもにとって、お墓参りは親から教わるべき大切な経験です。この記事では、私たちが行っているお墓参りの意味について詳しくお伝えします。
目次
大事な「お墓参り」とは
お墓参りをする一番の目的は、亡くなった方の供養です。
先祖や故人が安らかに成仏し、あの世でも安心して過ごすことができるように手を合わせて冥福を祈ります。そして、故人と心の対話をすることがお墓参りをする意味であり、その目的だといえるのではないでしょうか。
また、自分の人生は先祖や故人のおかげで成り立っています。お墓参りは、その感謝の気持ちを伝える大切な機会です。家族が集まって先祖や故人を偲ぶことで、感謝の気持ちや家族のつながりを再確認できます。
お墓参りの正しい作法
お墓参りをする際に、正確な作法を知らなくて不安に感じる方もいるのではないでしょうか。正しい作法が分かれば、不安を感じずにお墓参りが行えるはずです。
ここでは、4つのステップに分けてお墓参りの作法を紹介します。
1.お墓のお掃除をする
仏教でもキリスト教でもお墓参りに行く際にはお墓の掃除が欠かせません。
墓地に到着したら墓地に備え付けてある手おけに水をくんでからお墓に向かいます。掃除を始める前に、その水で自分の手をきれいに洗い清めてからお墓に手を合わせます。
そして雑巾やスポンジ、ブラシなどを使って墓石や花立の中をきれいに掃除します。汚れがひどい場合も固いもので強くこすることはせずに傷つけないようやさしく磨きます。
墓石や敷地のまわりに雑草や枯葉などがあれば、忘れず取り除いておきます。また、掃除をして出たゴミは持ち帰ります。
2.お供えする
掃除が完了したら、お供え物や花を供えます。
花はハサミで適切な長さに切り、左右対称になるように配置します。お菓子や果物などのお供え物は、直接墓石に置くのではなく、半紙を敷いてから並べましょう。これは、墓石を汚さない配慮と故人への敬意を表すためです。
また、仏教のお供えの基本は「五供(ごく)」です。先祖や故人への敬意を表すためにお線香、花、水、ろうそく、食べ物の5つをお供えします。
3.お線香をあげて合掌する
お供えをしたあとは、お線香をあげて合掌します。
お線香をあげる際は、火をつけたら横にして線香受けにそっと置き、火を消す時には息を吹きかけずに手であおぐようにします。その後、数珠を手にかけてお墓の方を向き、合掌します。
キリスト教の場合は、掃除を終えたらお供え物やお線香はあげずに花だけを供え、祈りを捧げます。仏教徒とは違い、先祖や故人に向かって祈るのではなく、全てを守ってくれている神に祈ります。
4.後片付けをする
お参りが終わったあとは、片付けを行います。花とお線香以外のお供え物は必ず持ち帰るようにします。お供え物を残したままにすると、カラスや野ウサギなどの動物によって荒らされる可能性があるため、注意が必要です。
また、お墓参りの際に発生したゴミも必ず持ち帰ってください。墓地や寺院は多くの方が利用します。マナーを守って気持ちよくお墓参りを行いましょう。
お墓参りの正しい服装
お墓参りは、基本的に普段着で問題ありません。ただし、派手な色や柄、露出度の高い服装は避けましょう。落ち着いた色合いで、シンプルなデザインが適しています。
また、掃除がしやすいように動きやすく、汚れても気にならない服装を選ぶことが重要です。
お墓参りに必要なもの
お墓参りの際には、掃除用具やお供え物の準備が必要です。具体的なアイテムとして、以下が挙げられます。
掃除用具 |
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お供え物(五供) |
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その他 |
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ほうきやバケツなどは貸し出しをしている施設もあるので、事前に確認すると安心です。
供養方法が多様化する現代
「お墓参りをしたいけれど、お墓が遠くにあるためなかなか行けない」「お墓の継承者がいない」という方はとても多いのではないでしょうか。近年では、従来のお墓にとらわれず、新たな供養方法を求める方が増えています。
自宅でできる手元供養や自然にご遺骨を還す散骨は、近年注目されている供養方法です。お墓自体がなくなっても、先祖や故人を大切に供養する気持ちに変わりはないはずです。
ご遺族の気持ちを何よりも大切にしているシーセレモニーでは、手元供養や海洋散骨に関するご相談を承っています。どうぞお気軽にご連絡ください。