散骨を無事に執り行った後、「どこに手を合わせればよいのか」「節目の供養はきちんとできるのだろうか」と、悩む方も多いのではないでしょうか。そのような悩みを解決する方法として、散骨した海域を訪れて供養する「法要クルーズ」というサービスもあります。
今回は、散骨後に行う「年忌法要クルーズ」について詳しくご紹介します。故人様の節目の供養を検討している方は、年忌法要クルーズを考えてみてはいかがでしょうか。
目次
押さえておきたい!法要と法事の違い
年忌法要クルーズといわれても、法要が具体的に何を指しているのか分からない方もいるでしょう。このような行事ごとでよく使われる言葉として「法要」や「法事」があります。まず、ここでは法要と法事の基本的な違いについて解説します。
法要とは
法要とは、ご遺族や親族、友人などが参列し、住職が故人様の冥福を祈ってお経をとなえる儀式のことをいいます。「追善供養(ついぜんくよう)」とも呼ばれます。
法要の目的は、故人様が霊界で報われて極楽浄土の世界へ往生できるように祈ることです。残された家族や親族が故人様を供養する重要な儀式とされています。
法事とは
法事は、法要とその後の食事会(会食)も含む、供養の一連の行事を指します。会食は、故人様がより良い功徳を得るために行われ、また、仏様の境地に近づけるとされています。
法事は、法要を中心にした供養を含んだ行事の一環として、親族や友人たちとの交流の場でもあります。
年忌法要について
年忌法要とは、故人様が亡くなってからの節目ごとに執り行われる重要な儀式です。
年忌法要の主な目的は、故人様の冥福を祈ることに加え、故人様を偲び思い出を語り合うことでご遺族同士の絆を深める機会にもなります。また、仏教の教えに触れることで、生きることの意味を改めて考えるきっかけにもなるでしょう。
主な年忌法要の名称と行う時期
年忌法要の名称と時期について、以下にまとめました。
名称 | 時期 |
一周忌 | 亡くなった翌年の命日 |
三回忌 | 亡くなってから2年後の命日 |
七回忌 | 亡くなってから6年後の命日 |
十三回忌 | 亡くなってから12年後の命日 |
三十三回忌 | 亡くなってから32年後の命日 |
年忌法要は三十三回忌まで行うのが一般的です。三十三回忌を過ぎると、故人様はご先祖様の仲間入りをするとされています。
また、年忌法要は命日当日に行うのが望ましいですが、親族が遠方にいたり都合が合わなかったりといったこともあります。そのため、家族や親族が集まりやすい週末に実施するご遺族が多いです。
年忌法要クルーズとは
年忌法要クルーズは、一周忌、三回忌、七回忌などの節目の法要を船上で行う新しい形の供養です。従来の寺院や霊園、自宅などで行う法要とは異なり、開放的な海上の空間で穏やかに故人様を偲び、思い出を語り合うことができます。
ご遺族がクルーズ船に乗り、故人様が眠る散骨場所を訪れて供養を行います。
船内では、思い出話に花を咲かせたり、静かに故人様を偲んだりと、ご遺族それぞれのペースで過ごせるのも特徴です。
移動時間も含めて、ゆっくりとしたひとときの中で故人との思い出に浸ることができ、より心に残る法要になるでしょう。
年忌法要クルーズの準備で大切な4つのポイント
年忌法要クルーズを行う際には、以下の4つのポイントを押さえておきましょう。初めての年忌法要や、慣れない準備に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
1.対応している業者を確認する
年忌法要クルーズを提供している業者は限られているため、事前に対応可能な業者を探し、希望する内容で行えるかを問い合わせましょう。散骨した際に利用した業者へ、年忌法要について相談するのものひとつの方法です。
また、読経の有無や献花の種類、飲食の手配など、業者ごとにサービス内容が異なるため、希望に合ったプランを提案してもらえるか確認するのも大切です。
2.プラン内容と見積もりを比較する
年忌法要にはさまざまなプランがあります。船の大きさ、所要時間、食事の有無、オプションなど、プラン内容をしっかり確認し、複数の業者の見積もりを比較することも後悔しないためのポイントです。プランや料金を比較して検討し、納得したうえで安心して法要を行いましょう。
3.費用の内訳を明確にする
基本料金には何が含まれているのか、事前に確認しておきましょう。献花や返礼品、食事の手配などは別途費用がかかることが多いです。どの範囲までが基本料金に含まれているのか、オプションごとの追加費用を明確にしておくと安心です。
4.家族や親族の意向を尊重する
年忌法要クルーズは従来の法要とは異なるため、参加する家族や親族の意向を確認し、みなさんが納得できるプランを選ぶことが大切です。特にご高齢の方や体調に不安のある方がいる場合は、乗船時間や移動の負担を考慮したプランを選びましょう。
また、「法要はお寺で行うもの」という考えを持つ方もいるため、事前に親族同士で十分に話し合い、理解を得ることが重要です。
シーセレモニーの年忌法要クルーズ
海洋記念葬を提供しているシーセレモニーでは、年忌法要クルーズのプランをご用意しています。散骨は、お墓という固定された埋葬場所がない分、日頃の管理やお墓の維持費などの負担が少ないことがメリットです。
しかし、散骨後も故人様を偲ぶ機会は大切です。一周忌や三回忌、七回忌などの節目に会場で法要を行いましょう。クルーズ船で散骨した海域を訪れ、故人様との思い出話に花を咲かせながらお食事を楽しむことができます。
法要クルーズの当日の流れ
年忌法要クルーズに参加される場合の基本的な流れについてご紹介します。ただし、状況によっては順番や所要時間が変更となる場合もありますので、ご了承ください。
1.桟橋からクルーザーへ乗船
参列者の人数やプランに応じて、利用するクルーザーを選びます。乗船場所や桟橋も複数ありますので、参列する方に便利な場所を選ぶことをおすすめします。ご家族やご親戚、ご友人など多くの方に参列してもらえると、にぎやかで故人様も喜ばれる法要になるでしょう。
2.散骨した場所を訪問
散骨した際に記録された海域の緯度経度をもとに、クルーザーで目的地へ向かいます。「散骨したあの場所にもう一度行きたい」「散骨した日に感じた海風にあたりたい」など、ご遺族の思いはそれぞれです。ご遺族の思いに寄り添い、散骨場所でのひとときを大切にします。
3.故人様へ献酒と献花
故人様がお好きだったお酒や思い出のあるお花などを持参したい場合は、事前にスタッフまでご連絡ください。故人様のお好きなものを海にまくことで、ご遺族様の供養の思いが届くのではないでしょうか。
4.遊覧・ご会食
故人様へのお祈りが終わった後は、波の落ち着いた場所で会食を楽しみます。和やかな雰囲気のなか、故人様との思い出を語らう貴重な時間を過ごすことができます。
5.記念撮影
大切な日の思い出を写真に残しましょう。スタッフが記念撮影をさせていただきます。故人様を偲び、想いを馳せることができるお写真をお撮りいたします。
会食メニューは4つから選べる
会食メニューはオプションで追加でき、以下のメニューからお選びいただけます。ご利用人数は10名様以上からとなっています。
- オーシャンビュッフェ
- シェフ乗船アニバーサリービュッフェ
- 本格船上BBQ
- 精進落としプラン
さらに追加オプションで飲み放題をつけることも可能です。ソフトドリンクとアルコール含むドリンクをご用意いたします。
会食できるおすすめクルーザー
シーセレモニーでは、人数や目的に合わせてクルーザーを選ぶことができます。ここでは、実際に運用されているクルーザーの中から、会食に対応しているクルーザーをご紹介します。
・ミッドブルー号
定員20名の中型クルーザーで、クルーズの目安時間は2時間です。船内はラウンジのような高級感のあるデザインになっています。
後方デッキには10名まで座れる特注ソファー席が設置されているため、外の風に当たりながらのお食事が可能です。ゆったりとした時間をお過ごしできるのではないでしょうか。
・ルーカス号
定員70名の大型クルーザーで、クルーズの目安時間は2時間半~3時間です。
年忌法要を行う貴重な機会に、多くの方を集めて楽しくにぎやかに法要を行いたい場合にぴったりのクルーザーとなっています。
大人数でも楽しめる屋上デッキもあるため、集合写真を撮影する際にも最適です。
ご親族様一同で親睦を深める年忌法要クルーズ
法要は、故人様の供養だけでなく、ご親族やご友人など皆様の親睦を深める意味合いもあります。残された方々がいつまでも仲良く集まり供養を続けることが、故人様の一番の願いかもしれません。
年忌法要クルーズは、従来の方法とは異なる供養の形のため、事前の準備をしっかり行い、ご家族やご親族と十分に話し合うことが大切です。
シーセレモニーでは年忌法要に限らず、供養に関するあらゆるご相談を承っております。散骨後の法要についてお悩みの方は、ぜひお気軽にシーセレモニーへお問い合わせください。