地方の過疎化や少子高齢化の影響で、地元にある先祖代々のお墓を管理できなくなったという方が増えています。そういった事態の解決策の一つとして、お墓の移動があります。しかし、お墓の移動をする際には、独自の手続きを行わなければなりません。
そこで今回は、お墓の移動をする際に必要となる手続き書類や流れ、費用などについて詳しく解説していきます。また、移動後の供養方法についても併せて紹介します。
目次
お墓の移動をする際に必要な手続き書類
お墓を移動することを『改葬』と呼びますが、その改葬を行ううえで必要な手続き書類は以下のとおりです。
埋葬証明書(埋蔵証明書)
現在使用しているお墓にご遺骨が埋葬・収蔵されていることを証明する書類です。埋葬証明書を発行できるのは、現在ご遺骨が埋葬・収蔵されている墓地・納骨堂の管理者です。
埋葬証明書には、故人様の氏名やお亡くなりになった日にちのほか、埋葬・埋蔵などの日にちなどが記されています。
改葬許可申請書
埋葬されているご遺骨を別の場所に移動する際に、管轄の自治体に提出する申請書です。自治体の窓口で受け取るか、ホームページからダウンロードし、必要事項を記入します。その後、お墓の管理者の署名と捺印をもらって提出します。
改葬許可証
上記の改葬許可申請書が受理されると発行される証明書です。移転先の墓地・納骨堂の管理者に提出することで、ご遺骨の移転が可能になります。
改装許可証明書の交付には、改葬許可申請書と受入証明書、埋葬許可証が必要です。交付には1週間から10日程度かかるといわれています。
改葬承諾書
改葬承諾書は、現時点での墓地の使用者と、改葬の申請者が異なる場合に必要となる書類です。そのため、管理者と改葬申請者が同一の場合、この書類は必要ありません。
改装承諾書は墓地や霊園の管理者が発行を行います。この書類があることで、墓地の使用者から改葬の承諾を得ていることを証明できます。
永代使用許可書(墓地使用許可証)
墓地の使用権は、永代使用権と定期使用権の2種類に分けられます。永代使用許可書(墓地使用許可証)は、墓地の区画を永代にわたって使用することができる権利を取得したことを証明する書類です。
永代使用許可書には、使用者の住所・氏名のほか、使用区画の番号、使用開始日などが記されています。
受入証明書
受入証明書は、改葬や墓じまいを行う際、遺骨や遺灰を受け入れることを証明する書類です。
改葬先の墓地や霊園の管理者によって発行してもらいます。改葬元の霊園が受入証明書を確認してから墓地の改葬を許可することが一般的です。
お墓の移動をするときの流れ
お墓を移動する際は、以下のような流れが一般的です。
- 改葬元の管理者にお墓の移動を相談・報告する
- 改葬先の墓地を選び、受入証明書を発行してもらう
- 改葬許可申請書の提出から改葬許可証の発行・提出まで手続きを行う
- 改葬元の墓地を墓じまいし、更地の状態にして返還する
- 改葬先の墓地にご遺骨を納骨し、移動完了
お墓の移動に掛かる費用
お墓の移動に必要となる費用は、全国平均でおよそ200~300万円程度だといわれています。その内訳は以下のとおりです。
- お墓の撤去費用:20~50万円
- 新たな納骨先の費用:8~260万円
- 行政手続き費用:数千円
お墓の移動で最も費用が掛かる部分は、新たなお墓の建立費です。したがって、お墓を必要としない供養方法を選択することで、費用を50万円以下に減らすことも可能です。
取り出したご遺骨の供養方法
元のお墓から取り出したご遺骨の供養方法は、現在ではさまざまな選択肢があります。代表的な供養方法として、以下のようなものが挙げられます。
新たなお墓への納骨
自分たちが管理しやすい場所にお墓を建て直し、納骨します。
立地条件や管理費用などを考慮して、家族で納得のいく場所を選びましょう。これまでと同じく、お墓での管理を続けていきたい方に選ばれています。
永代供養
寺院や霊園の管理者が、ご遺族様に代わってご遺骨の供養や管理を行います。
ご遺骨を個別のスペースに納骨する個別墓や、ほかの方のご遺骨と一緒に納骨する合祀墓などがあります。自分たちのお墓を建てるよりも費用を大幅に削減できる供養方法です。
散骨
海や山などに粉末化したご遺骨を撒いて供養するのが散骨です。散骨する場所により、海洋散骨や里山散骨と呼び名が変わります。
散骨は、「死後は自然に還りたい」という想いを持っている方に選ばれています。お墓を建てるのに比べて費用を抑えられるだけでなく、維持費や手入れが必要ないことから、ご遺族様の負担も軽減できます。
手元供養
ご遺骨を自宅で保管する供養方法です。
いつでも故人様を近くに感じられるというメリットがあります。また、ペンダントトップにご遺骨を封入して身につける方法も手元供養の一種です。散骨を行って残りのご遺骨を手元供養にするなど、ほかの供養方法と併用することもできます。
お墓の管理や供養に正解はなく、ご自身ができる範囲で最適な供養方法を探すことが大切です。お墓の移動を行う際には、その後の供養方法も併せて考えることをおすすめします。
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