故人様の命日のうち、特に重視されるのが「年忌法要」です。一周忌・三回忌・七回忌と続いていく年忌法要は、いつまで行うものかご存じですか。
通常は三十三回忌、もしくは五十回忌の「弔い上げ」まで続きます。その後は墓じまいをして、永代供養や手元供養をする方法や別の墓地や霊園に遺骨を移す改葬という方法などがあります。
今回は、年忌法要の供養方法と命日の供養方法の違い、命日に適したお供え物について解説します。
目次
命日と年忌法要
命日とは、故人様が亡くなられた日を指します。命日と同じ月、同じ日を祥月命日、それ以外の月の同日を月命日といいます。年に一度訪れる祥月命日には、「年忌法要」と呼ばれる特別な法要を行うのが一般的です。
年忌法要で行われる供養は地域や宗派による差があるものの、僧侶に読経をしてもらい親族で冥福を祈るのが通例です。
そのあと、親族で故人様について語らいながら食事会を行うまでを「法事」と呼びます。
命日に贈る言葉
年忌法要は、親族や親しい友人で行うことが多いです。年忌法要に参加する際には、お悔やみの言葉を伝えます。
お悔やみの言葉は、簡潔に短くすることが大切です。ご遺族から挨拶を受けたら「ご命日にあたり、心よりご冥福をお祈り申し上げます」「お悔やみ申し上げます」と伝えます。
このとき、縁起が悪いとされている言葉は使わないように注意が必要です。「死」の字を含む言葉や「生」などの表現は控えて、「逝去」「他界」「存命中」「元気なとき」などの表現に置き換えます。
また、「何度も」「ますます」「たびたび」「いろいろ」「いよいよ」など、不幸の積み重ねを連想させる言葉も不適切なため使いません。
命日に適したお供え物
命日のお供え物は、故人様が好きだったものをお供えするのが望ましいとされています。お供えした物は、後日ご遺族が「お下がり」としていただくため、召し上がるものを供えるのが一般的です。具体的なお供え物は、以下のとおりです。
果物
みずみずしく季節を感じられる果物は、お供え物の定番です。りんごやメロン、オレンジなどがあります。
果物を選ぶ際のポイントは、以下のとおりです。
- 日持ちする果物を選ぶ
- 分けやすい果物を選ぶ
- ご遺族の負担にならないようにする
どの果物にするか迷う場合は、果物の詰め合わせがおすすめです。見栄えもよいので、多くの方に選ばれています。
お菓子
お菓子もお供え物としてふさわしいです。まんじゅうや羊かん、カステラ、クッキー、ゼリーなどのお菓子を贈ります。
お供え物のお菓子を選ぶ際のポイントは、以下のとおりです。
- 日持ちするお菓子を選ぶ
- 個別包装されているお菓子を選ぶ
- 故人様が好きだったお菓子を選ぶ
- お子さまから高齢の方まで食べられるお菓子を選ぶ
線香・ロウソク
一人暮らしのご遺族であれば、線香やロウソクを贈るのもよいでしょう。線香とロウソクは、仏教供養の基本であり、故人様への追善供養の証となる大切なものです。
さまざまな線香やロウソクが販売されていますが、定番の香りを選ぶか煙があまり立たないものがおすすめです。
花
故人様が好きだった花を用意するのもおすすめです。キクやリンドウ、カーネーション、ユリなどを贈るのが一般的です。
また、バラのようなトゲのある花は、供えるのは避けたほうがよいとされています。
命日の供養方法は人それぞれ
仏教や神道では、命日はお墓参りをする日とされています。
しかし、遠方に住んでいたり、体調がすぐれなかったりといった理由でお墓参りができない方もいます。
そのため、実際の供養方法は、その方の都合や状況によって異なるといえます。毎年同じようにお墓参りをする方もいれば、特に変わらない生活を送っている方もいます。
命日のお墓参り
「普段はなかなか足を運べないけれど命日だけはお墓参りを欠かさない」という方も多いのではないでしょうか。命日にお墓参りをする際は、特別なことをする必要はありません。
お墓やお墓周りをきれいにしたら、お花を飾り、お供え物をおいてお線香をあげます。当日にどうしても足を運べない場合は、命日より前にお墓参りに行っても問題ありません。
お墓参りの代行という手段も
「どうしても仕事の都合がつかない」「体調がすぐれない」など、お墓に足を運べない場合には、お墓参りを代行してくれる業者を利用するのも手段の一つです。
仮に代行を依頼した場合でも、お墓参りの代わりとして仏壇の掃除を行ったり、お花やお供え物をしたりして故人様を供養しましょう。
また、仏壇がない場合は、遺影にお供えをすることでも供養できます。たとえ短時間でも、故人様を思い出す時間をつくることが供養となります。
自宅供養は明確なルールがない
年忌法要は一周忌や三回忌といった命日に合わせた日に行うのが一般的です。しかし、自宅供養では命日以外の日に供養することも問題ありません。
日々の生活の中でふと故人様を思い出したときや、特別な出来事があったときに供養するのもよいでしょう。自宅供養には固定されたスケジュールがないため、忙しい日常や体調不良の際にも、自分のペースで無理なく供養を続けられます。
形式にとらわれず、故人様を偲ぶ時間を大切にしましょう。
海洋散骨という選択肢も視野に
「お墓に行けない」「後継ぎがいない」といった理由から、最近では墓じまいを検討している方も増えているようです。
しかし、墓じまい後のご遺骨をどのように供養するのか簡単に決められる問題ではありません。
供養には、永代供養や納骨堂といった方法があげられますが、それらとは別に最近注目されているのが海洋散骨です。利点として、維持費がかからないだけでなく、「自然に還りたい」といった故人様の気持ちに寄り添える点でも注目されています。
そのほか、散骨後に船上で家族や親族と一緒に食事をしたり、音楽を聞いたり、明るい雰囲気で故人様の新しい門出を祝うことができるという魅力も注目される理由の一つです。
年忌法要クルーズにも対応
シーセレモニーでは、散骨の日が故人様やご遺族の方々にとっての新しい旅立ちの日となるよう、散骨セレモニーを行っています。
東京・横浜・湘南・大阪・沖縄・ハワイなどの海域に対応しており、ご遺族に寄り添った散骨をサポートいたします。
海洋散骨を行ったあと、一周忌や三回忌などのタイミングで再び海を訪れる年忌法要クルーズもございます。クルーザーで散骨を行った海域を巡りながら、故人様のへの思い出を胸に静かに供養を行うことができます。
海洋散骨に興味がある方はもちろんのこと、疑問をお持ちの方も、ぜひお気軽にシーセレモニーへご相談ください。