「海洋散骨で供養することを決めたけれど、遺骨の全部を散骨するべきか迷いがある」という方は多いのではないでしょうか。
海洋散骨は海にご遺骨をまいて自然に還ることを願う葬送です。すべてのご遺骨をまいてしまえば、残るものはありません。しかし、実際にすべてのご遺骨を散骨した方のなかには、手を合わせて供養する具体的な物がないことを寂しく感じる方もいるようです。
そのような場合は、すべての遺骨を散骨するのではなく少しだけでも手元に残しておくことをおすすめします。ここでは、手元に残したご遺骨の供養方法についてもいくつかの例をご紹介します。後悔のない散骨を行うためにぜひ参考にしてください。
すべての遺骨を散骨しなくても良い
海洋散骨では、「すべての遺骨を海にまかなくてはならない」と思っている方も多いかもしれません。しかし、実際にはそのようなルールはなく、ご遺骨の一部だけを散骨し、残りを手元においておくことも可能です。
海洋散骨は、こうでなければならないという決まりのあるのものではなく、しきたりや宗教の形にとらわれないのも特徴のひとつです。すべてまたは一部のみまくかは自由です。ただし、お墓に納めるのとは違い、散骨は一度まいてしまうとご遺骨は戻ってこないため、慎重に検討する必要があります。
複数回に分けて散骨する
散骨は、一度に終えてしまうのが必ずしも最良の方法だとは限りません。すべて散骨してしまうことに迷いがある場合は、無理をせずにご遺骨を分骨するという方法があります。
散骨をするために粉末化したご遺骨をいくつかの袋に分け、複数年かけてゆっくりと散骨をします。節目ごとに新たな気持ちで散骨という供養の機会を持てるため、気持ちの整理もつきやすくなるのではないでしょうか。また、ご遺骨を分けておけば、手元供養への切り替えも可能です。
一部を散骨し残りを手元供養
「遺骨のすべてを散骨してしまうと寂しく感じる」という方は多いようです。分骨せずに全部散骨してしまうとお墓もないため、供養方法が分からない、心のよりどころが欲しい、と感じることもあるのではないでしょうか。
そのような方は、ご遺骨の一部を散骨して、残りは手元供養するという方法があります。いつも故人様を身近に感じられて安心感を得られるほか、自分が亡くなるときに一緒に入れてもらえば、ご遺骨を誰かに託す必要もありません。
散骨後のことも考えておく
散骨を行うと決めたら、事前にその後のことを決めておく必要があります。
ご遺骨のすべてを散骨する場合は、どのような形で故人様の供養や年忌法要を行うのかということについて考えておくとトラブルを防げます。節目ごとにみなさまで年忌法要クルーズを行う方も少なくありません。
また、一部のご遺骨を残しておく場合は、手元供養にするのか、お墓に納めるのか、年忌法要は行うのか、などを検討する必要があります。
手元供養品について
「自宅でご遺骨を供養したいけれど、どのような方法があるのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。一般的には、手元供養品と呼ばれるご遺骨の入れ物を用意して、それぞれの暮らしにあった方法で供養します。
手元供養品には、小さな骨壷タイプのものや肌身離さず身に着けられるネックレス、イヤリングといったアクセサリータイプなど、さまざまな種類があります。
身近において供養したいというご遺族様の願いを叶えるのが手元供養品です。しかし、手元供養品を選ぶ場合には、ご自身が亡くなった後や手放すときの方法なども一緒に考えておく必要があります。また、一緒に火葬してもらえるよう、燃える素材で造られた手元供養品を選ぶのも選択肢のひとつです。
後悔しないためにも十分に考えましょう
散骨はお墓の継承が必要ないことや費用が安くすむことなどのメリットがあります。しかし、その一方でご遺族間の話し合いが不十分であったり、知識が不足していたりすることで、トラブルが起きてしまうことも考えられます。
散骨は故人様の願いを叶えるためのものです。ご遺骨を全部まくのか、散骨のタイミングはいつにするのか、といった詳細な部分においても生前に話し合っておくことができればよいのですが、そこまでは難しいかもしれません。
散骨は故人様の希望に沿って執り行うものではありますが、ご遺族様の気持ちもとても大切なものです。ご遺族様みんなが納得できる形にすることが大事ではないでしょうか。
大切な故人様の供養を後悔なく行うためには、正しい情報を集めること親族や友人、信頼できる専門業者と相談して散骨を行いましょう。