「いつか海に還りたい」
そんなお母さまの願いを叶えるため、ご家族の皆様が集まった2月19日。
暦の上では冬の盛りですが、この日は驚くほど穏やかで、どこか春の気配を感じさせる暖かな一日となりました。
まるでお母様の柔らかな微笑みが、空いっぱいに広がったかのようでした。
葉山の海へ、清らかに溶けていく瞬間

陽光がきらきらと反射する、穏やかな葉山沖。
お母様が希望された青い海へと、ご遺骨をゆっくりと見送りました。
波ひとつない穏やかな水面へと溶け込んでゆかれるその姿を最後まで見守り、ご家族の皆様で深く手を合わせ、合掌を捧げます。 あまりに清らかなその旅立ちは、まるでお母様が広い海に優しく抱かれ、永遠の安らぎに包まれた、とても穏やかな瞬間でした。
想いを込めて、海を清める献酒

続いて、お母様を偲び、ご家族の手でゆっくりと献酒を海に。
お酒が水面で清らかな波紋となって広がり、静かに海へと流れていく様子を、皆様じっと見守っていらっしゃいました。一滴一滴に、これまでの感謝の気持ちを込めてのお見送りです。
花々に託す、溢れるほどの思い

献酒に続き、献花のお時間です。
この日は、ご家族様がお母様のためにと特別にご用意されたお花もお持ち込みいただきました。
一輪一輪、大切にお手向けされた色鮮やかな花々は、鏡のような海面を美しく彩り、まるでお母様のこれまでの歩みを祝福する道標のようにいつまでも浮かび続けていました。ご家族の深い愛情が形となった、胸が熱くなる光景でした。
静寂の中で、寄り添うように回る刻

お別れのセレモニーを終えた後、船がお花の周りをそっと、寄り添うように回ります。
引き波ひとつ立たない、静まり返った海の上。
お母様の気配がすぐそばにあるような不思議な静寂の中で、皆様はいつまでも名残惜しそうに、碧く澄んだ水面を見つめていらっしゃいました。
富士山、鳥居、灯台に見守られて

お別れの場所を後にし、周遊の時間。
ふと目を向けると、雪を冠した雄大な富士山、凛と立つ名島の鳥居、そして葉山灯台が一直線に並ぶ、奇跡のように美しい景色が広がっていました。
「海に来れば、いつでも母に会える」――。
この日の穏やかな波音と絶景は、きっとご家族にとって一生の宝物になるはずです。
お母様が、愛した広大な海のなかで、皆様を優しく見守りながら安らかな眠りにつかれますよう、心よりお祈り申し上げます。

