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2012年2月、当社サロンに来られたあるご家族が開口一番に私に話された言葉です。
旦那様は、引退後に時間さえ合えば、息子さんやお孫さんを連れて東京湾で釣りを楽しまれていたとのことです。
「海が好きだ、まだ見ぬ世界へのロマンがある、皆海から生まれたんだ・・・」
大量の魚を持ち帰っては、晩酌をしながらそんなことを話す方だったようです。
生まれながらの楽天家気質、どんな時も明るく大らかで、ご家族を照らす灯台のような方。
ご長寿を全うされた旦那様は最後まで笑顔を絶やさず、家族をはじめ多くの友人達に看取られながら、息をひきとられました。
亡くなる直前まで病室には笑い声が絶えなかったそうです。
葬儀から49日が経つころ、奥様が海洋記念葬サロンに来られました。
「あの人が亡くなってからずっと、私達は悲しみに暮れていました。
でも遺品と心の整理をする中で気づいたのです。
あの人が最高に輝いていた海に散骨することでその海を訪れるたびに、あの笑顔と笑い声を思い出せるのではないかと・・・」
ご家族の願いもあり、海が最高に輝く初夏の正午に、親戚の方も大勢集い遺骨を撒きました。
カモメが自然と船上を舞う中、大好きだった若大将の名曲が流され、お酒が配られ、そして「ありがとう」のメッセージが一緒に読み上げられました。
私の海洋散骨のイメージが一変したのを覚えています。
こんなに明るいセレモニーもあるのだなと・・・
水面に映え、光りながら揺れて沈んでいく遺骨は旦那様が手を振って微笑んでいるようで、「元気を出してな」と語りかけているかのようにも思えました。
散骨を終え、その後は穏やかな沿岸部に停泊し会食が始まりました。
そこでは皆様一様に明るく、笑い声も飛びかい、どこか吹っ切れたかのようでした。
奥様は私に語られました。
「私達は見守られているわ。明日からまた素敵な日々が始まりそう。」
その清々しいそうな横顔が忘れられません・・・
それから数か月後、それまで毎年1,000組以上の船上での記念日創りをサポートしてきたアニバーサリークルーズに「散骨」のサポートを加えることを決めました。
明るく爽やかな散骨をもっと広めていきたい。
いつまでも心に残る式典創りをサポートしたいと・・・
そんな思いで私達の海洋散骨を『海洋記念葬』と名付けました。
※「海洋記念葬」「シーセレモニー」は当社の登録商標です。
私達は故人とご遺族の旅立ちをどこまでも想いに寄り添い、御意向に合わせたプランで日々サポートさせていただいております。
いつか来る私自身の海洋記念葬を想像し、そして私達一人一人の大切な人を思い浮かべながら、その人を失った悲しみは不変であると尊重しながら、心を大切に、この使命を全うしていきたいと考えております。